【WLBコラム】新入社員のためのタイムマネジメント

山本武史

山本武史

テーマ:教育

「新入社員に時間の大切さや効率アップの重要性を知ってもらいたいのですが、
 かと言って、ミスが多くなるのも困ります。
 新入社員にあったタイムマネジメントのポイントを教えてもらえませんか?」

リーダークラスのタイムマネジメント研修で、
このようなご質問をいただくことがあります。

新入社員は、初めての仕事ばかりで、
そのやり方も知りませんし、いきなり時間効率は求められません。

一つずつ確実に身につけていってもらいたいですね。

しかし、かと言って、ビジネスのスピード感は大切ですし、
早いうちから慣れてもらいたいとも思うものです。


ビジネスでは、こう言った二律背反を追い求めることが多いですよね。


そこで今回は、
新入社員のためのタイムマネジメントのポイントをご紹介します。



通常、タイムマネジメントでは、

①やるべきことをリストアップして、
②重要度と緊急度を鑑みて優先順位を決め、
③優先順位通りにスケージューリングする、

と言った手順を踏みます。



原則、新入社員でも同じなのですが、
上司やOJTトレーナーなど指導者の方が、
②の優先順位を、理由を添えて教えてあげることをお勧めします。


なぜなら、
新入社員はその仕事の「重要度」を理解していないからです。


入ったばかりの新入社員に、時間管理のマトリクスを
作成してもらったことがあるのですが、
全てが「重要かつ緊急」な仕事と捉えている人がほとんどでした。


新入社員にとっては、「仕事は全て重要」なのです。
また、出社してから指示を出されることが多く、
その日のうちにやらなければいけないものばかりですので「緊急」でもあるのです。


そう考えると、「重要かつ緊急」な仕事ばかりを請け負っているので、
新入社員のプレッシャーも相当なものですよね。



最初はそれでも仕方ないと思いますが、
少し慣れてきたら(3ヶ月程度たったら)、会社にも慣れ、
少し広い視野で仕事を見れるようになっているはずです。


そんな時に、ぜひ、優先順位の基準を教えてあげて欲しいのです。


全てが重要に見える仕事の中でも特に重要なものは何か、その基準は何か、
あるいは全てが緊急に見える仕事において、本当に緊急なものは何か、
実は後回しにできる仕事は何か、それらを一つずつ教えてあげて欲しいのです。


新入社員は経験しながら、それらを肌感覚で感じ、
身につけていってくれると思いますが、
最初に伝えておくことで、より早く身につけられます。



また、その際にあわせて、会社の理念や方向性、
キャリアアップのためのヒント、
学習や健康管理などの自己啓発の重要性なども教えてあげて欲しいのです。


長寿課による労働年数の延長は今後もますます伸びるでしょう。

そんな時代を生き抜く新入社員には、
単に仕事のテクニックやノウハウだけでなく、
考え方や自分の伸ばし方なども身につけてもらわなければ困ります。


また会社としても上司としても、会社の理念に沿いながら、
自分のキャリアアップも考えて学習する社員や部下に育ってくれたら、
とても大きな戦力になりますよね。


新入社員のためのタイムマネジメントとして、
優先順位のつけ方を教えてあげることは教育としてとても重要だと思います。

ぜひ、取り組んでみてください。


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