頭痛の漢方薬 清上蠲痛湯 (せいじょうけんつうとう)
最近よく見る麻杏甘石湯・五虎湯
昨今の医療用医薬品不足の状況から代用品として漢方薬が病院でよく使用されるようになってきました。
当薬局でも漢方薬に関するご質問をよく頂きます。
そのなかでも咳止めに関する漢方薬である麻杏甘石湯や五虎湯についてお話しようかと思います。
実はこの麻杏甘石湯と五虎湯はほぼ同じ処方です。
違いは医療用であれば麻杏甘石湯に桑白皮という生薬を加えただけです。
麻杏甘石湯
- 石膏・・・10g
- 杏仁・・・4g
- 麻黄・・・4g
- 甘草・・・2g
五虎湯
- 石膏・・・10g
- 杏仁・・・4g
- 麻黄・・・4g
- 桑白皮・・3g
- 甘草・・・2g
桑白皮は簡単に言えば効果を強めるために加えてあります。
なので大きな違いはないので重複して服用しないように気をつけてください。
日本国内の適応症状には麻杏甘石湯は小児喘息、気管支喘息となり、五虎湯は咳、気管支喘息となってます。
どちらも小児喘息など子供に使用するのですが、麻黄を配合しているので長期の服用は注意が必要です。
肺に熱がこもった咳に麻杏甘石湯・五虎湯
麻杏甘石湯・五虎湯は中医学で言う五臓の『肺』に熱がこもった状態の咳に使用します。
『肺熱咳喘』という難しい漢字の症状に使用されます。
五臓の肺は熱がこもっても、冷えても、乾いても弱り咳が出る身体の変化に敏感な臓腑と言われています。
この熱は菌やウイルスなどの感染症にかかると肺に溜まるとされます。
風邪のあとの咳なども肺熱によるものが多いです。
この熱を冷ますのが麻杏甘石湯・五虎湯です。
肺熱による咳の症状
- 激しい咳
- 乾いた咳(空咳)
- 切れにくい痰
- 黄色い痰
- 喉が渇く
具体的には肺熱による咳はこいった症状が特徴的です。
ちょっと理論的な難しい話ですが、咳の漢方薬は種類が多いので使い方も様々です。
咳でお悩みの方はお気軽にご相談ください。