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中小M&Aガイドラインの改訂

伊藤惠悦

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テーマ:その他

「AIパソコン」が注目を集めています。アジア最大級のIT(情報技術)見本市で、台湾の華碩電脳(エイスース)や米HPなど、主要メーカーが相次いで製品投入を表明しました。基本となる技術が「エッジAI」というものです。「エッジAI」とは、インターネットに接続しなくても、パソコンや携帯電話などのデバイス内で動作するAI技術を指します。

従来、チャットGPTなどの生成AIはクラウドベースのAIといわれ、パソコンからインターネット経由でクラウドのデータセンターに接続し、そこのサーバーで動作します。一方、AIパソコンでは処理の一部、あるいはすべてをパソコンの内部で行います。情報処理を自己完結できる技術が「エッジAI」で、半導体の進歩により活用領域が急速に広がっています。

エッジAIはパソコンやスマートフォンなどの端末自体で高度な処理を行う点が最大の特長です。なぜ、この技術が注目されているか。インターネットに接続しない、つまりクラウドに送信せずにローカルで処理できるため、プライバシーの保護が強化される点が一つとしてあります。医療データ、個人情報、財務データなど、センシティブなデータを扱う人にとって情報漏洩のリスクが減ります。

また、データの送受信を省き、処理速度を向上できる点や、ユーザー個別のデータを活用したAIサービスを提供できる点にも期待されています。こうした特長を生かして、今後は自動運転や同時通訳など、処理速度を要求される分野で特に活用が進むと予想されています。

現在は、パソコンに搭載され注目を集めていますが、今後は、携帯電話や自動運転車など幅広い範囲で利用されると予想されています。個人用途や業務での利用が期待され、エッジAI市場の活性化が見込まれています。

では、「中小M&Aガイドライン(第2版)、策定以降の動きはどのようになっているのでしょうか。そこで、2024年5月31日付で中小企業庁より公表された「中小M&Aガイドライン(第3版)改訂の方向性について」の内容に沿ってその動向をみていきましょう。
新しい資本主義実現会議における議論などを経て、ガイドライン改訂に向けた検討事項としては以下の6点が指摘されています。

1点目が「仲介・FA手数料に関する説明」です。中小企業向けに仲介・FAから提供される業務が手数料に見合っているか検討する上での考慮要素を示し、当該検討をもとに業者選定を行う重要性を明記することなどが示されています。
2点目が「広告・営業の禁止事項の明記」、3点目が「(仲介の場合)禁止される利益相反行為の具体化」です。仲介協会が策定した自主規制ルールや他業界における規律等をベースとしつつ、禁止すべき行為を提示することが示されています。
4点目が「最終契約後に当事者間で争いにつながるリスクがある事項への対応」です。中小企業に対して、最終契約後のリスク事項や、具体的なリスクを示すことなどが検討されています。
5点目が「経営者保証の扱いについて」です。M&Aの実施後の経営者保証の扱いについては、その解除又は移行が円滑になされない場合のリスクに備えて、譲受側に対してはガイダンスを行うとともに、譲受側、仲介・FA、M&Aプラットフォーマーに対し留意事項を示すことが検討されています。
6点目が「不適切な事業者の排除」です。仲介者・FA、M&Aプラットフォーマーに、譲受側候補に対する信用調査をできる限り多くの対象で実施することなどが検討されています。

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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伊藤惠悦(税理士)

伊藤輝代税理士事務所

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