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伊藤惠悦

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伊藤惠悦(いとうけいえつ) / 税理士

伊藤輝代税理士事務所

コラム

コロナ税制を徹底活用

2020年6月1日

テーマ:その他

コラムカテゴリ:ビジネス

新型コロナの流行によって多くの事業者が資金繰りに苦しんでいることを踏まえ、中小企業の税負担を緩和するための〝コロナ対策税制〟が国会で成立し、4月30日に施行されました。中でも注目度が高い施策は国税と地方税の納税を猶予する制度の特例ですが、他にも事業者向けの新たな制度がいくつか盛り込まれているので、徹底活用したいところです。

そのひとつが、中小企業の償却資産と事業用家屋の固定資産税を軽減する措置です。軽減割合は今年2月から10月までの間の任意の3カ月間の売上高の減少幅に応じて変わり、前年同期比で3割以上5割未満減なら2分の1、半分以上の減少ならゼロとなります。

また、消費税の課税事業者となるか免税事業者となるかの選択に関する特例もスタートしました。通常、課税期間の開始前に届け出を提出しなければならず、また課税事業者となった後2年間は継続適用しなければなりません。しかし新型コロナによる被害を受けている事業者に限っては、課税期間開始後の適用変更が認められ、翌課税期間に適用を取りやめることも可能となっています。条件は1カ月以上の一定期間の売上が前年同期比でおおむね5割以上減少していることで、今年2月から来年1月までの期間に売上が減少した期間がある事業者が対象です。

欠損金の繰り戻し還付の対象の拡充も盛り込まれました。通常は資本金1億円以下の法人しか対象になりませんが、今年2月~2022年1月に終了する事業年度については、資本金1億円超10億円以下の法人も対象となります。ただし大規模法人のグループ会社や100%子会社は対象に含まれません。

このほか、在宅勤務に移行する企業が増えていることを受け、テレワークを導入する企業を対象にした優遇税制が講じられました。一定の設備を導入した中小企業が法人税額の20%を限度に即時償却または7%(資本金3千万円以下の法人は10%)の税額控除ができる「中小企業経営強化税制」を拡充するもので、対象に「遠隔化、可視化、自動制御化のいずれかに該当する機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウエア」が追加されました。

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