インボイス制度:買手の仕入税額控除の要件や帳簿の記載事項の留意
消費税のインボイス(適格請求書)制度によって、経理担当者1人につき業務時間が月12時間増えていることが分かりました。また経理に携わる人の7割が対応に課題を感じていることも判明しています。
クラウドシステムのSansanが、インボイス制度の開始から1カ月が経過したタイミングで、請求書関連業務に携わる担当者1千人(経理部門500人、非経理部門500人)にアンケート調査を行ったところ、制度開始に伴って経理担当者が月次決算業務にかける時間は1人あたり平均11.9時間ほど増加していました。あくまでも1人あたりの増加時間のため、経理部門全体ではより多くの時間を要していることになります。非経理部門でも同様に、インボイス制度開始後の業務について「増えた」と回答した人は69.8%に上りました。
取引先から受け取った請求書が適格請求書の要件を満たしているかについて、約7割は「経理担当者による目視確認」で行っていると回答しました。これが業務量の増加に直結しているとみられます。非経理部門でも、インボイス制度開始後に増えた業務として最も多かったのは、「受け取った請求書が適格請求書かどうかの確認」、次いで「受け取った請求書に不備があった場合の修正対応」でした。請求書の内容確認や修正に関してのやりとりが負荷となっている現状が浮き彫りとなりました。
また経理担当者に対してインボイス制度への対応に何らかの業務課題を感じているか聞いたところ、「課題を感じた」と答えた人は70.2%に上り、具体的には「請求書業務の負荷が増えた」(39.2%)、「社内理解が不十分で混乱が生じた」(28.6%)が上位になりました。
<情報提供:エヌピー通信社>