余剰資金の使い道から考える会社観の違い
2022年度税制改正により、税務調査の現場において、証拠書類を提示せずに簿外経費を主張する納税者や、証拠書類を仮装して簿外経費を主張する納税者への対応として、必要経費・損金不算入措置が講じられます。
同改正により、税務当局の調査負担が軽減されるとともに、悪質な納税者の簿外経費は否認されることになります。
なお、適用時期は2023年1月1日以後に開始する事業年度からとなります。
この背景には、税務調査等の現場で、適正な記帳や帳簿保存をしていない納税者の真実の所得把握に係る税務当局の執行コストが多大にかかることがありました。
同改正により、納税者(個人及び法人)が隠ぺい仮想行為に基づき確定申告書を提出または確定申告書を提出していなかった場合には、これらの確定申告書に係る年分・事業年度の売上原価の額及び費用の額は、一定の場合を除き、必要経費の額・損金の額に算入されませんので、ご注意ください。
上記、一定の場合とは、保存する帳簿書類等により売上原価の額や費用の額の基因となる取引が行われたこと及びこれらの額が明らかである場合をいいます。
また、売上原価の額または費用の額の基因となる取引の相手方が明らかである場合、その他その取引が行われたことが明らかであり、または推測される場合で調査等により税務署長がその取引が行われ、これらの額が生じたと認める場合も該当します。
売上原価の額又は費用の額の基因となる取引等が、帳簿書類の保存場所等からも明らかである場合も必要経費に算入することができるとしております。
省令では、帳簿書類の保存場所として、居住者の住所地若しくは居所地またはその営む事業に係る事務所若しくは事業所、雑所得を生ずべき業務を行う場所その他これらに準ずるものの所在地となることを明らかにしております。
そして、総収入金額を得るために直接要した金額から除かれる売上原価の額は、政令により、購入した資産、自己の製造等に係る資産、購入・製造等以外の方法によって取得した資産、贈与・相続等によって取得した資産を例示、各資産のいずれに該当するかに応じて定められた金額を必要経費に算入される資産の額として明らかにしておりますので、該当されます方はご確認ください。
(注意)
上記の記載内容は、令和4年12月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。