役員退職金の適正額の算定方法とは
各地のデパートで繰り広げられたお歳暮商戦では、コロナ禍ということもあって、「自宅でぜいたくな時間を」「海外食材で旅行気分」など、巣ごもり需要を意識したラインナップが豊富だったようです。
取引先へのお歳暮代は税務上、原則的に「交際費」として扱われ、会社の所得から差し引くことはできません。しかし資本金1億円以下の中小企業は、交際費の800万円以下の部分か、接待飲食費のうち5割以内の額のどちらか高い金額を損金にできます。よほど大盤振る舞いをしていない限り、全額を損金にできると考えていいでしょう。
取引先などと食事をした場合に支出する「飲食費」に関して、1人当たりの金額が5千円以下であれば交際費から除外して全額損金になる〝5千円基準〟というルールもあります。これについて「お歳暮も飲食物を贈ったので、このルールを適用できないか」と考えがちですが、答えはノー。飲食費は「飲食その他これに類する行為のために要する費用」で、お歳暮は「飲食」ではなく「贈呈」にあたるため、5千円基準を適用することはできません。
交際費は範囲が広く、支出する相手もさまざまであるため、いい加減な処理が行われていないか、税務当局のチェックが厳しい項目でもあります。税務職員はまず証拠書類を確認して、会社業務のために使われているか、私的に使われていないか、支出が会社取引に対してどのような影響を与えているかなどを詳細に調査します。接待した日付や場所、相手の名前なども含めて細かく検査するので、お歳暮についても誰に何を贈ったかという記録を残しておくなどの対応は必要です。
<情報提供:エヌピー通信社>