頭痛の漢方
まちかど糖尿病指導薬剤師の笠原友子です。
今回は、漢方薬を使った頭痛対策のお話です。
何かと頭痛の種の多いこの頃です。
頭痛と言うとまず「鎮痛剤」を飲むことを考えがちです。
鎮痛剤を飲むと、早くに痛みが止まって
痛かった事など忘れてしまいます。
ところが
痛みの種類によっては、痛みが治まらなかったり
薬が効いている間だけ痛みが治まって
効果が切れる時間になると前にも増して痛む
そんな悪循環を繰り返しておられる方もあります。
また、
肥満から高血糖症状を起こしていて
体重を減らそうと努力をしても
中々減らない方に、鎮痛剤の常用者のことがありました。
漢方薬で薬を選ぶときは
単に頭痛と言っても
痛む時期・時間帯・痛む場所・痛み方など
数多くの配慮をして、漢方処方を選びます。
そこで今回は、比較的対象者の多いパターンを
8種、ざっくりご紹介いたします。
皆さんの頭痛に、あてはまるものはあるでしょうか?
1)場所の限定が出来ないが、 とにかく頭が痛く、ゾクゾクする
風邪の初期症状のお薬が合うと思われます。
暖かくして、早くお休みください。
2)頭のてっぺんが痛む。
寒い時期や、冷房の効いたお部屋にいる方に
しばしば見られます。
痛む場所が特徴的です。
3)こめかみや側頭部がキ~ンと痛む
この他あたまが帽子をかぶったみたいに重く痛む。
ストレスを体で受けやすい方、
ストレスを受け続けている方
更年期の女性ばかりか男性にも多いです。
親指と人差し指で
眉頭を押さえると痛気持ちいい。
肛門に栓をしたような便秘の方
肩こりしやすい方、
特に首筋から後頭部にかけて凝る方が多いです。
この状態を我慢し続けて、突発性難聴になる方もあります。
早めであれば漢方の服用で改善しています。
ストレスを受けて顔が赤くなったり、耳が遠くなったり
金属音の耳鳴りがしてきたら、早めにお手当てしましょう。
4)孫悟空の頭の輪っかを締め付けられたように側頭部が痛む。
3)よりさらに強いストレスの中で
頑張っている方に多いです。
顔色がやや青黒っぽい方があります。
肩こりも締め上げるように痛くて、
寝ても熟睡感が無い方が多いです。
5)大きな心配事やストレスがあってから、後頭部が痛む。
大きな怒りや心配事があって、頭に来たあと、
後頭部の頭痛が取れない事があります。
過度の疲労から頭痛になることもあります。
血圧降下剤を飲んでいても頭痛する方の中に
このタイプの方の場合があります。
6)朝起きようとすると後頭部が痛い。
うつ向いて仕事をしていると額(前頭部)が痛くなる
水分の排泄の悪い方に多いです。めまいや軟便、嘔吐する方もあります。
7)お腹いっぱいに食べると額(前頭部)が痛くなる。
このタイプの方は、血圧も高めで
肩こりや便秘もつらいとおっしゃる方があります。
ものを食べるとしゃっくりする方もあります。
8)寒いところにいると、頭とくに額(前頭部)がキ~ンと痛く
寒い時期に外仕事をする方の中に、
このような訴えの方があります。
痛み方は、かき氷をかきこんだ時のような
キ~ンとした痛みです。
鎮痛剤を服用すると、
「さらに痛みが増す」
とおっしゃる方があります。
いかがでしょうか?
一言で「頭痛」と言っても
いろんなタイプがあることを
お分かりいただけましたでしょうか?
痛む時間帯や時期によっても
薬の選び方が変わります。
病院で検査を受けても大きな異常は無く
それでも繰り返す頭痛にお困りの方がありましたら
こちらまでご相談ください。
心を込めて対応させていただきます。