歯科医師がオススメ 音波歯ブラシ”ソニッケアー”を使うメリットと効果<歯みがき、予防歯科>
1.熱中症や脱水には水よりもスポーツドリンクが効果的
5月の連休頃から気温がグングン上昇し、今週は夏のような暑さになりましたね。つくば市の小学校では今月中に運動会も予定されており、連日のように運動会の練習があるため、我が家の子供たちも体操着を着て、スポーツドリンクを持って登校しています。
さて、炎天下で運動し大量に汗をかいた後には、水分の補給だけではなく電解質も失っているため、皆さんご存知のごとく、ただのお水よりも糖分や塩分、ミネラルも補給できるスポーツドリンクが適しているとされています。本当にのどが渇いた時には多少甘みがあった方が飲みやすかったりもしますね。飲料メーカーのHPを見るとデータ的にも冷水と比較して体内への吸収も早いようです。
ただし、専門的には脱水の状態にもいろいろありまして、水分の補給のみを目的とした冷水やお茶と、スポーツドリンクをバランスよく併用するのが好ましいようです。
2.保冷機能付き水筒にスポーツドリンクで金属が溶けだすことも
スポーツ選手が競技中に使うようなプラスチック製のボトルではなく、保冷機能付き水筒や魔法瓶にスポーツドリンクを入れてお出かけされる方もおられると思いますが、金属製の容器の場合は、使い方により容器の金属成分が飲み物の中に溶け出して中毒を起こすことがあります。私の周りの人たちにこのことを聞いてみたところ、全然知らない方が意外と多くて驚きました。「そんなこと全く気にしていない・・・」とか「今朝も息子にサーモスでスポーツドリンクを持たせた・・・」なんてお母さんもいたんです。
金属製の水筒に入れてはイケないのは、酸性飲料や塩分を含んだ飲み物です。
スポーツドリンク以外では炭酸飲料や乳酸菌飲料、オレンジジュースなどの果汁飲料が挙げられます。これらの飲料に含まれる炭酸、乳酸、ビタミンC、クエン酸などが金属を溶出させるのです。通常、短時間ならば、溶け出す金属の量はごく微量のはずです。また、サーモスなどでは内側をコーティングしてあり金属が過剰に溶け出すことがないように様々な工夫がなされています。しかし、容器の内側に傷が付いていたり、酸性飲料を長時間保管するなどすると、金属成分が溶け出し、思わぬ事故につながることがあります。特に、銅は多量に摂取すると中毒を起こす可能性があります。
実際にあった東京都の中毒事例では、朝7時半ごろにスポーツドリンクの粉末を水に溶かして水筒に詰め、その日の午後2時ごろまで保管、運動中の休憩時に飲んだ6名が苦味を感じ、頭痛、めまい、吐き気などの症状を呈したため、都内の保健所に通報されたものです。その水筒の内部は、一見して破損している様子はありませんでしたが、保健所が再現試験をしたところ、内部に青緑色の液体が溜まり、銅が検出されたとのことです。
スポーツドリンクの保管や持ち運びの容器の選択には、十分注意していただきたいと思います。
3.スポーツドリンクをダラダラ飲むと虫歯が多発?!
歯科医の立場からスポーツドリンクについてもう一つ注意していただきたいのは、沢山の糖分とクエン酸を含んでいるために虫歯を誘発する点です。
<歯科医師が教える虫歯予防>イオン飲料、スポーツドリンクでむし歯が多発?!
さっぱりとさわやかな風味のスポーツドリンクにも、ポカリスエットには23g、アクエリアスだと21g、板チョコで1枚分に相当する糖分が含まれているのです。就寝前に飲んでそのまま寝てしまったり、ダラダラと長時間にわたって飲み続けたりすると、虫歯菌を増やす原因になります。
さらに、虫歯菌は糖分を摂取し、代謝産物として酸を作って歯を溶かします。虫歯菌の酸は唾液が中和してその働きを弱めますが、そこにクエン酸やアミノ酸などの酸を含むスポーツドリンクが加わると唾液の中和作用が弱くなります。口の中は酸性に傾き、虫歯菌の働きを後押しするため、歯が溶かされやすくなります。
スポーツドリンクを日常的に飲んでいる子供では、ほとんど全部の歯が虫歯で溶けているケースなど、極端な虫歯の多発傾向(ランパントカリエス)が見られることがあります。
これを予防するには、スポーツドリンクを飲んだ後にお茶を飲む、口をゆすぐ、歯を磨くことです。
運動中であれば、口の中の酸を中和し洗い流すために、スポーツドリンクと交互にお茶飲料も飲んでいただくことでしょうか?激しい運動中、運動後の脱水状態の改善にも、水やお茶を併用して飲む方が良い場合があることを前述しましたが、手荷物が多くなりますけども、虫歯予防の観点からもスポーツドリンクの御供にお茶も持ってお出かけしていただければと思います。
<歯科医が語る歯医者の裏側>「なるべく歯を削らない」は当たり前ですよね?
<参考資料>
1)ポカリスエット公式サイト ポカリの特徴 なぜ水分補給に適しているの?
2)東京都福祉保健局HP 食品衛生の窓 水筒、やかんなど、金属製の容器の使用方法にご注意ください!