<歯科医が語る本音>歯科医院の派手な宣伝・・・違和感を感じるのは私だけでしょうか?
1.「○○歯科医院・△△インプラントセンター」の謎
近頃は”インプラント”という用語もすっかり定着して、ご存じない患者さんの方が珍しいほどになりました。患者さんの中にはいわゆる”さし歯”と区別がついていない方もおられますが、それはさておき…最近よく看板やインターネット広告で見かけるのが、「インプラントセンター」という言葉です。
みなさんの中にも「ん?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。「インプラント治療だけを行う病院?」とか「インプラントが専門の歯医者さんがやっている病院…」などと思われるかもしれませんが、実はこれ、フツーの歯科医院が集客のための宣伝文句として使われていることが多いんですね。
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2.医院名と「インプラントセンター」を併記するはNG
近頃はコンビニより歯医者が多くて、歯科医院は乱立状態…私のクリニックの半径2km四方=土浦市やひたち野うしく、阿見町のエリアには13軒の競合歯科医院があって、これでもたぶん少ない方です。その一方で保険診療の医療費は年々削減され、どこの歯科医院も収入は減少傾向…治療単価が高いインプラントの専門治療施設であることアピールして、「手っ取り早く患者さんを集めよう!」って一部の歯科医が実態のない「センター」を名乗って集客に躍起になっているのです。
自分のクリニックにどんな名前をつけようが自由なのかもしれませんが、私が違和感を感じるのは「インプラントセンター」を名乗っておいて、入れ歯を作ったり虫歯を治したりの一般歯科治療をメインで診療してることです。
そもそも医療機関を開設する際には保健所に申請を出して許可を得なければならず、「○○センター」などと名前を付けるならば、通常の歯科治療を行う医院とは入口も診療室も別にしなければならないそうです。したがって歯科医院名と別に「インプラントセンター」を併記、標榜する歯科医は保健所にはナイショで勝手に名乗っているはずなんです。
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3.出張インプラント手術で私が見た現実
私は10年ぐらい前から、たまに「出張インプラント手術」に出向くことがあります。友人の歯科医や懇意にしていただいているインプラントメーカーの営業の方から依頼されれば、時間が許す限りどこでも出向きます。インプラントの道具一式を導入したばかりで不慣れな先生の手術に参加したり、インプラント手術が困難なケースにインプラントを埋め込む際に立ち会うためです。
今から5年ぐらい前だったでしょうか…いつものようにメーカー依頼を受けて埼玉県の某中央歯科に出張手術に出向いた時のことです。事前にメーカーの担当者から「インプラントの導入を検討中の先生で、インプラントはまったくの初心者。ちょっと変わったセンセだよ…」とは聞かされていましたが…着いてビックリ、医院名がなんと「○○中央歯科・インプラントセンター」だったんですよ…冗談のような話ですがホントです。交差点の一角にあるその歯科医院は、車からも歩行者からもよく見える位置にデカデカと看板を掲示していました。
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インプラントを植立する場所にあったはず元の歯がどういう状態だったかは見ていないので、確定的なことは申し上げれませんが、実態のない「センター」を標榜する歯科医は、「とにかくこの歯はだめだから、抜いてインプラントを!」と強固に勧めたようです。過去のレントゲン写真を見ると抜かずに保存できそうな歯に見えたのですが、すでに数か月前に抜歯されているので後の祭りです。その日、そこで私を待っていた患者さんは大人しそうな40代の女性でした。何だか気の毒に思えて、主治医からすでに聞かされているはずの治療に伴うリスクやアフターケアに関する説明を、もう一度私の口から再度丁寧にご説明申し上げたことを思い出します。
これらの業界裏話から教訓めいたことを皆さんに申し上げるとしたら、インプラント治療は急がなければならない治療ではないということです。信頼できる長いお付き合いができる歯科医師か見極めること、迷ったら複数の歯科医師に相談することでしょうか。
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茨城のインプラント専門歯科(歯科・口腔外科)/つくばオーラルケアクリニック
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