【心理的安全性の作り方】「“報告がない”“相談が遅い”職場で起きていること-心理的安全性の視点から-」

山田裕介

山田裕介

テーマ:人材育成、幹部育成、リーダー育成、モチベーションUP、やる気UP、ストレングスファインダー


強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。

・「もっと早く言ってくれれば…」
・「なんで報告しなかったんだ?」

そんな声が、会議や面談の場で繰り返されていませんか?

しかし、報告が遅れる・相談がこない背景には、
「伝えにくい空気」が潜んでいることが少なくありません。

本コラムでは、
報連相が機能しない職場に共通する“心理的安全性”の欠如に着目し、
社員が自発的に動きたくなる組織をつくるヒントをご紹介します。

【合わせて読みたいコラム】
「“辞める理由”の本質は、給与でも労働時間でもなかった」
報連相が生まれにくい職場環境は、離職の原因にもつながります。あわせてご覧ください。

1、「報連相が足りない」ではなく、「報連相できない空気」

・「うちは報連相が弱い」
・「部下から相談がこない」

そう感じている経営者・管理職の方は少なくありません。
しかし、ほとんどの場合、それは
「報連相ができない空気がある」ことが原因です。

実際、社員に話を聞いてみると、

  1. 「言ったら責められるんじゃないかと思った」
  2. 「否定されるのが怖くて、様子を見ていた」
  3. 「前に言ったとき冷たくされたから、やめた」

こうした“見えないブレーキ”が、日常のコミュニケーションに大きな影響を与えています。

2、心理的安全性がないと、報連相は機能しない

Googleが高業績チームの共通項として挙げた「心理的安全性」という言葉。
これは、「自分の考えや感情を安心して表現できる環境」であることを意味します。

心理的安全性がない職場では、

  1. ミスを恐れて報告が遅れる
  2. 批判を避けるために相談を控える
  3. 会議では本音が出ず、無難な発言に終始する

といった現象が日常的に起こります。

報連相がうまくいかない理由は、「社員の意識が低い」わけではなく、
「安心して話せない土壌」ができてしまっていることにあるのです。

3、上司が与える“無言の圧力”に気づくこと

報告を受けたときの上司のリアクションは、社員にとって重要なメッセージになります。

  1. 眉をひそめる
  2. 否定から入る
  3. 「前も言ったよね?」と被せる

こうした反応が続くと、社員は
「報告=怖い」「相談=否定される」と認識します。

一度こうした空気が定着すると、社員は「なるべく波風を立てないようにしよう」と
報告や相談を最小限に抑えるようになってしまいます。

4、ストレングスファインダーで「伝え方・受け取り方の違い」を理解する

社員の“言いづらさ”には個人の性格傾向(資質)も大きく関係しています。

たとえば:

慎重さを持つ人
→「失敗を避けたい」意識が強く、ネガティブな報告をためらいやすい

調和性が高い人
→「対立を避けたい」ため、波風が立つ話題を避けがち

分析思考の人
→「情報が不完全な状態で話すのが苦手」で、慎重になる

これらを知らずに「なぜ言わないんだ」と一方的に責めると、
関係性は悪化し、ますますコミュニケーションは閉ざされてしまいます。

ストレングスファインダーを活用することで、
社員一人ひとりの“伝え方のクセ”“受け取り方の傾向”を理解できるようになり、
・「この人には、こう伝えればいい」
・「報告しやすい環境をこう整えよう」
といった具体的な対策が取れるようになります。

5、報連相を“文化”にするために

報連相を制度やルールとして強化することも大切ですが、
最も効果があるのは、報告したくなる“空気”を整えることです。

そのために必要なのは:

  1. 上司の“リアクションの質”を高める
  2. 部下の“資質”を理解し、伝え方を変える
  3. 定期的な1on1などで安心して話せる場を設ける
  4. ストレングスファインダーで対話の土台を共通言語化する


報告・相談は、仕組みだけでは根づきません。
“人と人の信頼”があって初めて自然に起きるものです。

6、まとめ

報連相がうまくいかない職場に必要なのは、
「伝えない社員を責めること」ではなく、
「伝えたくなる空気をどうつくるか?」という視点です。

そして、その空気は“心理的安全性”と“相互理解”から生まれます。

【ご相談・導入のご案内】

株式会社ストレングスアスリードでは、
ストレングスファインダーを活用した
「心理的安全性の高いチームづくり」を支援しています。

社内研修・対話支援・導入相談はこちらから
【お問い合わせフォーム】

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

社員のやる気を引き出すリーダー育成、オーダーメード研修のプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫のビジネス
  4. 兵庫の人材育成・社員研修
  5. 山田裕介
  6. コラム一覧
  7. 【心理的安全性の作り方】「“報告がない”“相談が遅い”職場で起きていること-心理的安全性の視点から-」

山田裕介プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼