大阪府のGLHS(グローバルリーダーズハイスクール)のTOEFL iBTへの取り組みについて
「TOEFL時代を制する英語術」副題は「世界一英語が苦手な日本人へ」7月23日付けNewsweek日本版の大特集がこのタイトルです。ちょうど先週「TOEFLを導入するよりも」というコラムを書いた所だったので、タイミングに驚きました。https://mbp-japan.com/login
やはり時代はTOEFLに向かっているのでしょうか。
なかな読み応えがある特集になっていますので、まずはNewsweekの内容を拾ってみます。
特集記事1「なぜ日本人は今も英語が苦手なのか」
-日本人のTOEFL4技能合計の平均は120点満点の70点。84点の韓国、80点の北朝鮮、77点の中国にも及ばない。
-1つ目の言い訳は「日本語と英語は語彙も文法も違いすぎるから仕方ない」というもの。(中略)もう1つの言い訳は「いくら勉強したって実際に使う機会がないせいで上達しない」という思い込みだ。だがそれなら、(中略)韓国がTOEFLで84点を取っているのはなぜか。
ちなみに、ここで言うTOEFLのスコアとはiBT(インターネット版)のことで、ペーパーテストのPBTとは異なっています。一般的に大学などで現在入学後の英語クラス編成の基準などに使用されているものは、簡易版とも言えるITBで、これは過去のPBTを再利用して団体受験に使用するものです。従って、スコアは公式ではなく、あくまで受験団体が独自に参考程度に使うためのものです。677点が満点、スピーキングやライティングのテストは含まれません。その違いについての詳細は以前のコラムでご紹介しましたので、そちらも合わせてお読みください。http://mbp-japan.com/hyogo/kobebs/column/35535/
PBTテスト受験は次第にインターネットが使用できない地域に限られつつあり、英語圏での留学や就労を考える人は、今後iBTを受験しなくてはなりません。
さて、ここでアジアの中でも日本は北朝鮮にさえ大差のように書かれていますが、あの国でそもそもTOEFLを受験する人はデータ化できるほどいるのでしょうか。この数字については疑問が残ります。
中国について言えば、全国民に対する高等教育の普及率を見ると日本とは比較にならないぐらい低いのです。その中でTOEFLを受験する層と言うのは欧米に留学するための訓練を受けたトップのエリート集団です。ですから、受験料を払えば誰でも受けられる日本と比べて、平均スコアが高くなるのは当然のことです。
問題となるのは、隣国の韓国との比較でしょう。韓国の近年の国家を挙げての英語力強化方針には凄まじい物があります。15年ほど前までは、韓国の英語教育は大学入試のための暗記中心のもので、かつての日本の英語教育とそっくりでした。それが小学校に本格的に導入してから、コミュニケーション中心の英語教育へとシフトしていきました。当初は教育現場で大変な混乱が起きたようですが、民間教育機関が助っ人となったこともあり、ネイティブ教師との「生きた英語」を勉強するプログラムを推進していきました。その結果、中高生のTOEICやTOEFLのスコアが劇的に伸びたのです。
韓国語と日本語は文法体系が似ていますから、ヨーロッパ言語と日本語は根本的に違うと言うなら韓国語も同じです。韓国のこうした英語教育の変遷を見れば「言語の体系的違いによるものであるから、日本人は英語を習得できない」という言い訳は苦しいでしょう。また、逆に日本語を流暢に操る欧米人はほとんど存在しないことになります。
「英語を使えるようにならない言い訳を唱え続けている間は使える英語など身に付かない」と、この記事は厳しい調子で締めくくっています。「日本は(英語もできる)新興国の台頭や自由貿易の拡大で、これまで以上に熾烈な競争に直面している。今こそ自己満足ではない英語学習に取り組む覚悟を決めるべきだ」と記者は続けます。確かに英語力がグローバルビジネスの場で日本人にとってネックになっている一面はあるでしょう。しかし、「自己満足ではない英語学習」とは一体どんなものでしょうか。次回では、次の特集記事からその方法を探ってみたいと思います。
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