女性が活躍する社会へ~神戸ビジネススクールの人気コラムシリーズ
3月に、自民党が大学入試にTOEFLを平成30年度頃から導入することを検討しているというコラムを書きました。http://mbp-japan.com/hyogo/kobebs/column/35520/
ニューズウィーク日本版7月9日号のTokyo Eyeというコラムに、イギリス人のStephen Walsh氏が次のように書いています。興味深いので、以下抜粋します。
「英語が苦手な日本人にTOEFL導入は逆効果だ」2013年07月15日
http://www.newsweekjapan.jp/column/tokyoeye/2013/07/toefl.php
「TOEFLを導入しても丸暗記と文法偏重の英語学習法に拍車が掛かるだけではないかと、日本で英語教育に携わっている人々は懸念している。教師の仕事が増えるだけで、生徒の勉強の仕方もTOEFLのスコアも変わらない。スコアアップを目指すなら、勉強や日本の学校での試験のやり方を変える必要がある。
(中略)TOEFLのスコアはいくらかよくなるかもしれないが、コミュニケーション能力は大して代わり映えしない。そんな当てにならないスコアを基準に、公的機関や企業は英会話の能力を必要とするポストの人選をする羽目になる。
TOEFLのスコアに惑わされず、本当に使えるコミュニケーション能力の持ち主を見抜くにはどうするか。まずフェイスブックで外国人の友人が何人いるか、海外旅行に頻繁に行くかをチェックする。机の上に外国人の友人と飲みに行ったときの写真が何枚あるかも参考になる。
実際に英語でのやりとりを理解できるかどうかを見極めるには、外国映画に連れていくといい。外国人の観客と同じところで笑えば合格だ!」
彼のユーモアのセンスは買いますが、最後の外国映画で合格というのはちょっと疑問に思います。コミュニケーションというのは双方向で行うものです。映画の英語がわかって笑うタイミングが外国人と同じだったとしても、リスニングに長けているだけでコミュニケーションの達人とは言えないでしょう。
学校での英語教育のやり方を少し変えれば、日本人は試験が得意ですから、TOEICでもTOEFLでも器用に得点を上げていくと思います。かと言って、ウォルシュ氏が言うように、国際社会での英語を使ったコミュニケーション能力も同時に上がるわけではありません。TOEFLやTOEICのスコアでは測ることのできないコミュニケーション能力はどうやって見抜けばいいのでしょうか。
そもそも母国語(日本語)で話下手な人が、英語になった途端に饒舌になることはあり得ないと私はいつも思うのです。日本人は伝統的に「沈黙は金」とし、あうんの呼吸でKY(空気を読むこと)を大事にしてきました。それは島国に住む単一民族であるという地理的条件によって長年の間に確立された結果でしょう。見知らぬ人(よそ者)と積極的に会話することは、私達日本人のDNAには組み込まれていないと考えます。
外国人を含む異業種交流パーティなどに参加すると、大抵の日本人は日本人同士で固まっています。女性の方が比較的冒険心があるようですが、それでも見知らぬ外国人の所へグラス片手に出向いていって自己紹介をする、という光景はあまり目にしません。英語がかなり出来る人でも、同僚と一緒だったりすると尚更に遠慮したりするせいか、なかなか積極的に会話を始める側には回りにくいようです。
そこで、映画に連れて行くより、パーティを開いてはどうでしょう?外国人を全体の2割ほど混ぜておき、スムーズに会話が進められるかどうかを審査の基準にするのです。社交ダンスの競技会のように、候補者は番号をつけ、人事部の採点者が会場内を回って様子を見て合否を決める。本来は、英語での正式な面接が一番だと思いますが、一人ずつに時間を割くのは大変ですし、英語を母国語とする採用担当者を調達するのも大変でしょう。初対面の人と自然な流れでの会話を進めていけるかどうか、これこそがコミュニケーション能力の基本だと思うのですが、いかがでしょう?
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