女性が活躍する社会へ~神戸ビジネススクールの人気コラムシリーズ
世界的に人気の村上春樹氏の新刊はもう読まれましたか。「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」"Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage”は、発売後1週間で何と100万部を突破。韓国でも話題で、版権を落札した民音社は7月上旬に出版を予定しているそうですが、契約金は過去最高額(1億5000万円以上か?)を記録したとの声もあります。
ニューズウィーク日本版5月21日号は「日本人が知らない村上春樹」という大特集、表紙は彼の似顔絵(版画風)とまさに誰かが書いていたように「まるでi Phoneが新発売になった時のような大騒ぎ」です。実は私はまだ読んでいません。「1Q84]を読んだ時はすっかりはまってしまったのですが、あまりに前評判が高いものには「ホントにそんなにすごいの?」と懐疑的になる癖が私にはあります。そこで、購入する前に下調べとしてあちこちの書評を拾ってみました。
ファンには(ハルキストというらしい)「村上作品としては異色」「彼も還暦を過ぎたからか」など、新鮮な驚きを持って迎えられたようです。「ノルウェイの森」の続編と言う人もいます。同時に何人もの主要な登場人物が出てくるのは彼の作品には珍しいことで、そこを評価する人もいます。
面白いのはアマゾンの書評で、星5つ(最高評価をつけた人)と1つの人がそれぞれに持論を展開している様子は読んでいて飽きません。何と500件近いレビュー(5月29日現在)があるのです!「腹立たしい」「本を投げ捨てた」「カッコつけすぎ」「中途半端」「嫌悪感」など、辛口の批評の方が読んでいてずっと面白く、ここまでけなされるなら逆にやっぱり読んでみようか・・・と天邪鬼の私は思っています。
まず、この長いタイトルはどういう意味なんだろう?と興味を惹かれました。
高校時代の仲良し五人組(“乱れなく調和する共同体みたいなもの”)の中で主人公の多崎つくる以外は、苗字に赤、青、白、黒、という漢字が含まれています。“多崎だけが色とは無縁だ。そのことでつくるは最初から微妙な疎外感を感じることになった”。それが題名「色彩を持たない」"Colorless"の意味です。漢字のことだとは思いませんでした!
その後、この四人はつくるを疎外し、絶縁します。20歳の時から16年間その事実を忘れようとしてきたつくるが36歳になって、自分が切り捨てられた理由を探す旅に出ます。それが「巡礼の年」の意味のようです。
アメリカ、韓国、フランス、ノルウェイなど世界数十カ国で作品が翻訳されている村上春樹氏。京都での公開インタビュー(5月6日)で「僕のことはイリオモテヤマネコみたいに絶滅危惧種と思ってもらっていい。そばに寄ってさわったるすると、怯えてかみつくかも。」と人前に出ない理由を説明。「色彩を持たない・・」については、「登場人物が勝手に動き出した」「僕も似たような経験をしたことはある。人は受けた心の傷を塞いで成長する。ひとつの成長物語なんです。」(「ニューズウィーク」より)と言っています。夏までには私も読んでみようと思っています。腹が立っても投げ捨てたりはせずに。
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