列車にお辞儀する日本人~神戸ビジネススクールの人気コラムシリーズ
「社風を変えるということ」というグレン社長のコラムを2日に掲載しました。
http://mbp-japan.com/hyogo/kobebs/column/34907/
彼はビジネス英語研修を多数の有名企業内でさせていただいています。マネージャークラスの方とマンツーマンレッスンをする際には、管理職としての悩みを打ち明けられることもあるようです。そういった話から「日本の企業はなぜこんなにも変化を恐れるのか」と何度も私に聞いてきます。最近読んだ本に「これだ!」と思うヒントがあったので、ご紹介したいと思います。
成毛眞さんの「大人げない大人になれ!」(2012年12月発行 新潮文庫)のカバーには「成功者はみんな大人げない。ぶっ飛びエピソード満載。ストレスゼロ、目からウロコの処世術!」と文字が躍っています。この中で、「『空気を読む』『努力』『我慢』といった日本特有の美徳は、右肩上がりの成長を前提とした経済モデルが破綻した現代には必要ない。」と日本マイクロソフト元社長である成毛氏は言っています。では何が必要なのでしょうか。子供のような好奇心、つまり「大人げなさ」だと彼は説きます。
まず、目次を見てみます。「子供のようなビル・ゲイツ」「日本の大企業に大人げなさはあるか」「興味があれば何でもやってみる」「我慢なんてしなくていい」「おじさんのいう事は9割が間違い」などなど、「何だって!?」と思わず読み進めたくなる事ばかり!この中の第2章にある「変化を恐れるフツウの大人たち」という項が、冒頭のグレン社長の疑問に対する答えとなるのです。
成毛氏は「マイクロソフト日本法人の社長を務めていた時期には、毎年全体の5%に当たる社員を最低レベルの人間からクビにしていた」そうです。「最低」と言うのは業務成績ではなく、組織改革に対する保守的レベルが高い順なのです。「新しいチャレンジをしない、他人と同じであることに安心する、知らないことに対して嫌悪感を持つ。これらはすべて保守的な人間の特徴である。」こういった人はどの組織にも結構な数、存在することを私も経験からよく知っています。彼の優れた観察眼が次に続く文章によく表れています。
「(こうした保守的な人間は)新たなアイデアに潜むネガティブな側面を瞬時に並べ立てるために、ほとんど天才的とも言える頭の回転を見せ始めるのだ。(中略)『前例がないことだから』『私の経験ではそうではない』『この会社のやり方ではこうだ』などと、立場が低い人や若者には否定することができないように追い込んでくる。」まさにその通り、私も何度も会議で全く同じセリフを耳にしました。「仕方がないことだが、人間は年齢を重ねるに連れて保守的になりやすい生き物である。(中略)それまでに努力をして手に入れた知識や経験ほど、否定しにくくなるものだ。それが、数十年にわたる長い時間のなかで築き上げてきたものともなれば尚更である。何か新しいものを取り入れて、それらに一貫性がなくなることを恐れ、拒絶してしまうことは想像に難くない。」
グローバル化に伴い、これまでの国内市場向けのビジネスモデルではもはや通用しなくなってきました。政府から民間に至るまで、チャレンジ精神と失敗を恐れない勇気が日本を救うと言っても過言ではないでしょう。同時に、批判を受けようとも信念を持って周囲を説得し、自ら改革の旗手となる覚悟を持つリーダーが今ほど求められている時はありません。
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