社風を変えるということ

グレン・ブラウン

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会社のビジネスモデルがうまく機能しなくなり、収益を生み出す代わりに市場でのシェアを失うようになった時は、変革をしなくてはなりません。これは、現在国内市場の縮小と世界市場での競争にさらされている日本の多くの企業が直面している問題のひとつです。TPPに日本が参加するとなると一層厳しい状況になるでしょう。
ビジネスモデルを変えることは大変ですが、ビジネスのソフトな面、いわゆる社風を変えることはもっと困難です。社風はいったん染み込んでしまうと、その変化に対して社員は恐怖や疑念と言ったマイナスの感情を抱くようになります。そして、ビジネスモデルの変革を必要以上に遅らせ、時には失敗に終わることになりかねません。そうなれば、利益の損失という結果は免れません。

では、どうすれば社風を変革することが可能でしょうか。産業心理学の分野を確立した一人であるカート・ルウィン教授によれば、企業の組織に変化をもたらすためには、次の三点が必要です。
   • 古い習慣をこわす
   • 新しい習慣を創る
   • その新しい習慣を定着させる

図式化すると、こうなります。
{融解}→ {変化}→ {再凍結}

この一見単純とも言える図式は、現在あちこちで起こりつつある変化の基本です。この過程を完結するためにかかる時間は、ある組織が変革を必要としている度合いとその規模によります。グローバル大企業であるGEの場合、変革は何年もの間継続しています。

そういった変革は、強力なリーダーシップがトップに発揮される場合にのみ可能です。更に、そのリーダーが変革に真剣に取り組み、自らも参加している場合です。今こそ、変革の時です。日本企業のリーダーシップがこの重大な局面を乗り切ることができるよう、私は切に願っています。

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グレン・ブラウン(講師)

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