コラム
標準文字商標の勘違い
2016年3月2日
特許庁の商標登録出願時の取り扱いに標準文字商標というものがあります。
この呼び方かからか、自分が考えたネーミングを標準文字で登録すればネーミング全般を押さえることができて、権利範囲が広くなるのではないか、と思われているお客様が多くいらっしゃいます。
標準文字商標の制度は、商標が願書にどのようなフォントで記載されていても、これを特許庁が指定して公表している標準的なフォントで書かれた商標として登録するという制度です。願書に太ゴシック体で書かれていても、標準文字のフォントで登録されます。
あくまでも通常の商標と何ら変わるところはなく、登録された商標の形そのものに専用権と禁止権が与えられます。
なので、標準文字で表された登録商標の類似範囲に禁止権の効力が及びことになり、他のフォントの商標と比べて禁止権の範囲が広いということはありません。
ただ、標準的なフォントのため、一般的に文字として使用されることが多く、その禁止権の範囲内に入ってくる商標の数は多くなってくることは考えらえれます。
一方、特殊なフォントの登録商標はその禁止権の中に入ってくる商標の数は少ないと考えられますが、自他識別力は標準文字よりも大きいため、商標の機能としてはこちらの方が大きいでしょう。
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