専門店は千問店② ~ 日本屈指の甲冑師 大越忠保 編♪ ~
もうすぐ五月五日の端午の節句。
駆け込みで五月人形をお探しの方、まだまだ間に合いますよ~(笑)。
さて、今回ご案内させて頂く作品は、過去のコラムでもご紹介させて頂いた「平安武久」さんの【龍頭付黒糸縅8号兜】です。
ちなみに、
龍頭(りゅうず)・・・鍬形の中央についている龍の装飾の事。素材は、合金、木彫り、プラスチック製などがあります。
「鯉」が登竜門を通り「龍」になる伝説から「立身出世」の象徴ともされています。
また、右手に持っている玉は、天から授かった「智慧」や「人徳」とも言われ、お子様のもとに運んでくれるとされます。
今回の武久さんの兜に使用されている龍は木彫りに金箔を押した仕様のものとなっています。
※龍についての伝説はいくつもあります。
黒糸縅(くろいとおどし)・・・縅(おどし)とは「緒を通し」が語源とされており、甲冑などに紐を通すことをさします。
今回の黒糸縅は、読んで字のごとく黒糸(黒紐)を編み上げたと言うことになります。
通常は定番の金屏風でセッティングさせて頂く事が多いのですが、お客様の好みに合わせさせて頂き黒ベースに竹の柄を施したシンプルなデザインの屏風でのコーディネート。
京都らしい丁寧な金の装飾が浮き出てきます。
昔から竹は「真っ直ぐ上に育つ」、「節目、節目を大切にする」と言われ、男の子の節句には欠かせないデザインとなっております。
こちらが正絹(しょうけん・シルク)製の黒糸となっております。錣(しころ)も一般的な鍍金ではなく、金箔を押したものを使用。金の輝きと糸の色が見事に引き立てあっています。
櫃に使用される金具も一般的なアルミ製ではなく、厚手の銅板を使用されており、視覚的に重厚な作りとなっております。しかも、金具の柄も細かな凹凸がしっかりと出され、見事な造形美となっています。
京都の物は「京都ブランド料で高い」と思われる方もいらっしゃいますが、こちらの兜は京都で洗練された職人「平安武久」が、しっかりと手間ひまをかけ洗練された兜となっております♪
福順号ホームページ :http://www.hukujungo.com