古いマンションの建て替えは本当に進むのか?

髙岡恭平

髙岡恭平

テーマ:マンション 窓断熱


古いマンションを買うとなると、コンクリートの強度がどうだという話がすぐに出てきますが、確かなことは誰も知らないのが現実です。なので、コンクリートについて少し調べてみました。
最初どろどろのコンクリートは、数年程度は強度が上がり、その後数十年間安定し、今度は少しずつ強度が下がる素材ですが、コンクリートの耐久設計基準強度と、大規模修繕不要予定期間(いわゆる耐久年)について興味深い記事を見つけました。




この表ですが、戸建住宅の基礎コンクリートの説明です。
戸建住宅の基礎は、マンションと違って表面に塗装をしません。
しなくても、18N/㎜2なら、35年もつということです。
(ただ、それ以下のものには確固たるデータがない。)

鉄筋コンクリートの劣化を招く最大の問題は、コンクリートの中性化です。
空気中の二酸化炭素によって、コンクリートの中性化がすすみ、PH値が一定以下になると内部の鉄筋がさびて構造体として成り立たなくなるというものです。
これがあるので、分譲マンションでは10数年置きに大規模修繕工事をしています。
つまり、塗装が劣化する前に早め早めにしておけば、コンクリートの中性化は進まないのです。



なあ~んだ、長持ちするんじゃないか!
日本のゼネコンは、古い建物をすぐにつぶしたがるので、メンテすれば長持ちするとは言わないのでしょう?

今年は戦後70年です。須磨区の高尾台住宅(マンション)が1965年建築、築50年です。間取りの流行おくれや、エレベーターの有無、築年数の新しいマンションとの比較で、販売価格は下がらざるを得ませんが、古いから建て替えなければならないという理屈にはならないということです。

外壁塗装や防水工事など長期修繕計画に基づいて管理されたマンションはゼネコンやマスコミが騒ぐほど短命ではないということですね。



それに構造以前に、マンションの建て替えはそんな簡単な問題ではないでしょうね。
区分所有者の4/5以上の賛成で建て替えは決議できることになっていますが、高齢化で費用負担に耐えられない人が一人いるだけでも現実には建て替えは難しい。

マンション住民にとって正しい選択は、きちんとしたメンテをして如何に長持ちさせるかなのです。個人の経済力で家の寿命が左右される戸建住宅と違って、マンションには修繕積立金制度と大規模修繕があるから安心ですね。

新築時から値段が下がっているという理由だけで、投げやりになっている方をよく見かけます。もう一度、管理組合活動に目を向けてみてはどうでしょう。

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髙岡恭平
専門家

髙岡恭平(福祉住環境コーディネーター)

森林浴生活株式会社

暑くない・寒くない・湿気ない...おまけに結露やカビもない。外気温に左右されない健康と家計に優しい断熱リフォームが得意。スギやヒノキ等の天然木は断熱・調湿効果に優れ、住まいの温湿度を快適に保ちます。

髙岡恭平プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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