データでなく、実生活で感じる天然木の高断熱マンションリフォーム
スギの無垢材で作った二重玄関扉
エコポイント制度に見られる住宅断熱化促進は、机上の冷暖房費を推計してCO2排出量を削減しているだけにすぎないように思います。
住まいは省エネ機器ではない。人が健康に住む為の大切な空間なんです。
例えば、内窓(二重サッシ)単独では、つけた部屋の換気という健康上の視点が欠けている。
古いマンションには換気小窓がついていて、既存メーカーの二重サッシをつけると換気のたびに内窓を開閉しなくてはならないんです。
気密性が高い為に湿度調整がやりにくい点でもマンションは特に留意しなければならないと思います。室内の熱中症がご年配者を中心に不安材料になっていますが、室温だけではなく、湿度をうまくコントロールする方が重要です。
あまり知られてませんが、法改正でホルムアルデヒドが低減したことで室内にカビが多く発生し、それに伴ってダニも増えているのをご存知ですか?
それが原因で過敏性肺臓炎などは、高齢者を中心に新たに増えてきた病気のひとつなんです。
実は悪役とされるホルムアルデヒドが防カビ効果を果たしてきたんですね。
ここに気になるデータがあります。
日本の年間の脳疾患患者数が英国の2倍以上の1万3千人になるんですね。
緯度では日本より北に位置するのに。
特に日本は冬場の患者数が突出して多い。
ただし北海道は例外。ここに解決のヒントがあります。
ズバリ、大半の日本人は就寝時に部屋を暖房しない。
こんなデータもあります。
就寝中のふとんの中は30℃超、寝室は10℃、廊下・トイレが8℃。
30℃と8℃の温度差がヒートショックの原因になります。
つまり夜中、トイレに立った時や暖かいリビングから洗面所へ行く時に、バタンと行くのです。
北海道の冬は厳しいので一日中、夜も暖房しているので、ヒートショックによる脳疾患の発生が低いんです。
また以前、NHKが放映した「ためしてガッテン」では、就寝中に冷たい空気を吸っていると、身体の免疫力が徐々に低下し、歳をとるにつれて健康管理がやりにくくなるという。
冬、マンションでは内玄関が一番寒い。次に廊下。内玄関とは連続空間だが、金属ドアから離れる分だけまし。後、洗面所、トイレと続く。
専門医は冬の夜、寝室→廊下→トイレの最低室温を16℃以上保つことが、不測の病魔から逃れる近道だと警告されています。
その為には局所暖房ではなく、ゾーン断熱の考え方が必要になる。
室内空間全体を、高断熱仕様に作り替えることで、高齢者が安心して健康的な生活を送れるというのが医師たちの提案です。
機械で部分的に冷暖房する方が経済的だと考えられてきました。日本のようにエネルギーコストが高い国ではセントラルヒーティングはあまり普及していません。
全部機械で冷暖房しようとするからそうなるんです。
杉や桧、漆喰などの自然素材をベースにマンション空間を高断熱空間に変えましょう。
機械はあくまで補助的に考えるのが、節電にもつながります。