「早く知る」ことが、一番の節税
突然の来訪者
最近、「共有名義や相続登記がされていない不動産はありませんか。もしあれば買い取らせてください」という営業を受けることが増えています。
私は税理士として相続案件に携わっていますが、このような連絡を受けるたびに感じるのは、「なぜその不動産が対象になったのか」を考えることの大切さです。
相続登記
相続登記が長年行われていない不動産では、権利関係が複雑になっていることがあります。
祖父名義のままになっている土地について、相続人が兄弟姉妹、その子どもたちへと広がり、気づけば共有者が十数人になっていたというケースも珍しくありません。
こうなると、売却や建替えを進めるために多くの関係者の同意が必要となり、手続きが一気に難しくなります。
その場で契約を決める必要はありません
実際、空き家や再建築が難しい土地、共有名義の不動産など、いわゆる「訳あり物件」を専門に扱う買取業者は、こうした権利関係を調査し、整理したうえで活用することを事業としています。
もちろん、業者の存在自体が悪いわけではありません。
遠方に住んでいて管理できない空き家や、維持費ばかりかかる不動産であれば、早めに整理することが家族の負担軽減につながる場合もあります。
ただし、営業を受けたからといって、その場で契約を決める必要はありません。
まずは登記簿を確認し、誰が権利を持っているのか、固定資産税は誰が負担しているのか、今後どのように活用したいのかを整理することが大切です。
「将来の課題が隠れているかもしれない」というサイン
「売ってください」と言われると驚く方も多いと思います。しかし、その言葉は裏を返せば、「この不動産には将来の課題が隠れているかもしれません」というサインでもあります。
相続対策というと節税を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、私は、「家族が困らずに不動産を引き継げる状態にしておくこと」も、大切な相続対策の一つだと感じています。
もし、ご実家の土地や空き家が長年そのままになっているなら、この機会に一度、登記や権利関係を確認してみてはいかがでしょうか。
その小さな確認が、将来の大きな安心につながるかもしれません。
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岡崎総合会計事務所
税理士 岡崎 俊視


