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# 受注残から半年後の資金まで見えていますか?|建設会社の金融機関対応と未来の数字

石田雄二

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テーマ:建設業経営

# 受注残から半年後の資金まで見えていますか?|建設会社の金融機関対応と未来の数字

「今期は仕事もありますし、利益も出ると思います」

金融機関との面談で、このような説明をされる建設会社の経営者は少なくありません。

もちろん、仕事が確保されていることは重要です。

しかし、経営管理という観点では、もう一歩踏み込んで考える必要があります。

**今期の利益はいくらになりそうなのか。**

**目標利益を達成するためには、あといくら受注する必要があるのか。**

**3か月後、6か月後に預金はいくら残っているのか。**

ここまで数字で把握できるようになると、経営判断だけでなく、金融機関への説明も変わってきます。

## 受注残は「金額」だけでは分からない

例えば、現在の受注残が2億円あるとします。

これだけを見ると、十分な仕事を確保しているように見えます。

しかし、重要なのは、その2億円の受注残から**いくらの粗利が見込めるのか**です。

同じ受注残2億円でも、粗利が4,000万円見込める会社と、2,000万円しか見込めない会社では、将来の利益は大きく異なります。

さらに、

いつ売上になるのか。

いつ材料費や外注費を支払うのか。

いつ工事代金が入金されるのか。

まで見なければ、将来の資金繰りは分かりません。

つまり、建設会社では、

**受注残 → 粗利 → 資金**

までつなげて管理することが重要です。

## 未確保粗利から「必要受注額」を逆算する

例えば、

現在までの実現粗利 4,000万円

受注済工事から見込まれる粗利 3,000万円

今期必要な粗利 8,000万円

だったとします。

この場合、今期の目標を達成するためには、

**あと1,000万円の粗利を確保する必要がある**

ことが分かります。

さらに、今後受注する工事の想定粗利率を20%とすれば、

1,000万円 ÷ 20% = 5,000万円

となります。

つまり、

**今期の目標達成には、あと約5,000万円の追加受注が必要**

というところまで逆算できます。

「もっと売上が必要だ」

という漠然とした状態から、

**「あと5,000万円受注する必要がある」**

という具体的な経営目標に変わります。

## 利益と資金は同じ動きをしない

ただし、必要な粗利を確保できれば、それで安心というわけではありません。

建設業では、利益が出る時期と資金が増える時期が一致しないことがあります。

工事代金の入金より先に、

材料費

外注費

給与

固定費

借入金返済

税金

などの支払いが発生するからです。

そのため、受注残から将来の利益を予測した後は、工事ごとの入金予定と支払予定を月別に整理します。

そこへ固定費や借入金返済などを加えることで、

**3か月後、6か月後の預金残高**

を予測できるようになります。

## 資金が不足する前に金融機関へ説明する

例えば、

現在の預金は4,000万円。

受注残は2億円。

今期は利益を確保できる見込み。

しかし、工事代金の入金より支払いが先行するため、3か月後には預金が2,000万円程度まで減少する。

その後、工事代金の入金によって資金は回復する。

ここまで予測できていれば、実際に資金が不足してから金融機関へ相談する必要はありません。

事前に、

**「利益は確保できる見込みですが、一時的に資金が減少する時期があります」**

と、その根拠となる数字とともに説明できます。

金融機関にとっても、過去の決算や現在の財務内容だけでなく、今後の利益や資金の見通しを確認する材料になります。

## 金融機関への説明資料と経営管理資料は、本来同じもの

私は、金融機関へ提出するためだけに特別な数字を作るのではなく、**経営者が普段確認している数字そのものを金融機関にも説明できる状態**が望ましいと考えています。

経営者自身が毎月、

現在までにいくら粗利を実現したのか。

受注残にいくらの粗利が確保されているのか。

あといくら粗利が必要なのか。

そのためには、あといくら受注する必要があるのか。

半年後に預金はいくら残るのか。

を確認する。

そして、金融機関から説明を求められたときには、その数字を使って将来の見通しを説明する。

**経営管理のための数字と、金融機関へ説明する数字を分けない。**

これが重要だと考えています。

## 過去の決算書から「未来の経営管理」へ

決算書や試算表は、会社の経営状態を把握するうえで欠かせません。

一方で、経営者が判断しなければならないのは、これから先のことです。

受注残から将来の粗利を読む。

不足する粗利から必要受注額を逆算する。

工事ごとの入出金から将来の預金残高を予測する。

そして、その数字を金融機関にも説明できるようにする。

私は、こうした建設会社の経営管理の仕組みを**「Gリバース」**として整理しています。

これまでのコラムでは、工事別粗利、受注残、利益着地、資金繰りと、一つずつ取り上げてきました。

次回はいよいよ最終回です。

**3年後の会社像から逆算した「あるべき数字」と、現在の受注・工事から予測した「このまま進んだ場合の数字」をどうつなげるのか。**

これまで紹介してきた仕組みを一つにまとめ、Gリバース経営管理の全体像を紹介したいと思います。

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石田雄二
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石田雄二(税理士)

石田雄二税理士事務所

単に安いだけでなく、創業後の会社の管理体制構築までサポートします。また、税理士だけでなく、社労士も在籍しているため、助成金の獲得支援を強みとしている点も好評です。

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