# 売上が増えているのに、お金が残らない会社の共通点
前回は、「会社として年間いくらの粗利を確保しなければならないか」という必要粗利額についてお話ししました。
しかし、必要粗利額が分かっただけでは経営管理は完成しません。
建設業では、その目標を一つ一つの工事へ落とし込むことが必要だからです。
建設業の利益は工事ごとに生まれる
会社全体の利益は、決算書の上で初めて現れるものではありません。
利益は、それぞれの工事の積み重ねによって生まれます。
そのため、
「年間で○○万円の粗利が必要」
という目標だけでは、日々の経営判断には活かせません。
重要なのは、
この工事では、どれだけの利益を確保すべきか。
この受注金額で、本当に会社全体の目標達成につながるのか。
原価が増えた場合、最終利益はどの程度変わるのか。
こうした視点で工事ごとの管理を行うことです。
経験だけでは限界がある
もちろん、現場経験や経営者としての勘は大切です。
しかし、建設業を取り巻く環境は年々複雑になっています。
資材価格の変動。
人件費の上昇。
借入金の返済。
設備投資。
こうした要素を考えると、
「たぶん利益が残るだろう」
という判断だけでは、会社を守ることは難しくなっています。
私は、経営判断には経験だけでなく、数字による裏付けが必要だと考えています。
利益と資金繰りは別に考える
建設業では、
利益が出ている会社でも資金繰りに苦しむことがあります。
その理由は、
利益の計算と、お金の流れは一致しないからです。
利益予測だけでなく、
半年後、一年後の資金繰りまで見据えた経営管理が求められます。
そして、その管理体制こそが金融機関からの評価にもつながります。
私が目指しているもの
私は現在、
建設業向けの経営支援として、
「銀行評価を高める建設業財務管理体制構築」
という考え方を整理しています。
目的は、単に帳簿を整えることではありません。
会社の数字を経営判断に活かし、
将来の資金繰りを見通し、
金融機関へ自信を持って説明できる管理体制を構築することです。
その第一歩は、
会社全体の目標を、工事ごとの数字へ落とし込むことにあると考えています。
次回予告
工事ごとの利益が見えるようになっても、それだけでは十分ではありません。
建設業では、
「利益は出ているのに、お金が足りない」
という現象が起こります。
次回は、この建設業特有の資金繰りについて解説します。


