経営環境の激変と中小建設業経営
建設業の経営者とお話ししていると、
「売上は増えているのに、お金が残らない」
という相談を受けることがあります。
実はこれは珍しいことではありません。
むしろ成長過程にある会社ほど起こりやすい問題です。
## 売上だけを追いかける経営の落とし穴
多くの会社では売上目標を設定しています。
もちろん売上は重要です。
しかし、会社経営は売上だけでは判断できません。
例えば、
A社
売上1億円
粗利率10%
粗利額1,000万円
B社
売上8,000万円
粗利率25%
粗利額2,000万円
という2社があった場合、どちらが経営的に優秀でしょうか。
売上だけを見るとA社です。
しかし、会社を支える原資である粗利を見るとB社の方が優秀です。
## 建設業では粗利管理が特に重要
建設業は工事ごとに利益率が異なります。
売上が大きくても利益の出ない工事を続ければ、会社は苦しくなります。
一方で、適正な利益を確保できる工事を積み重ねれば、売上規模がそれほど大きくなくても安定した経営が可能です。
私は長年、税理士として建設業のお客様を支援してきましたが、
「売上管理」
よりも
「粗利管理」
の方が経営改善につながる場面を数多く見てきました。
## それでも粗利管理が続かない理由
実際には、多くの会社が一度は工事台帳やExcel管理に挑戦します。
しかし、長続きしないケースも少なくありません。
その理由の一つが、
「自分が管理している数字と、決算書の数字がつながらない」
という違和感です。
経営者は現場感覚で数字を見ています。
一方で決算書は会計ルールや税法ルールに基づいて作成されます。
このズレが、経営管理を難しくしている側面があります。
## 次回予告
では、なぜ社長が管理しているExcelの数字と、決算書の数字は食い違うのでしょうか。
次回は、
「なぜ社長のExcelと決算書は食い違うのか」
をテーマに、建設業経営における数字の見方について考えてみたいと思います。
※本記事は建設業を題材にしていますが、ここでお伝えする考え方は製造業やサービス業など、多くの中小企業経営にも応用できる内容です。


