【製造業DX】自動車部品試作を劇的短縮!3Dプリンター導入と使える補助金・AI活用術

濱田金男

濱田金男

テーマ:DX化で製造業は変わる!

「試作のリードタイムが短縮できない」「金型コストが重くのしかかる」……。
自動車業界のEV化や軽量化トレンドに伴い、部品開発のサイクルはかつてない
スピードを求められています。

中小製造業の現場において、これらの課題を解決する鍵となるのが「3Dプリンター」
と「生成AI」の融合です。

本記事では、自動車用プラスチック部品の試作ニーズに基づいた3Dプリンターの
選び方から、予算を抑えて明日から始められる「スモールスタート」の手順、そして
最新の補助金情報までを徹底解説します。

1. 自動車業界で高まる「3Dプリンター試作」のニーズ
自動車部品、特にプラスチックパーツの試作において、3Dプリンターへの要求レベル
は年々上がっています。単なる「形状確認」だけでなく、実車搭載を見据えた「機能
評価」が求められているからです。

<現場が抱える3Dプリンターへの具体的ニーズ>
Web上の最新動向および製造現場の声に基づくと、以下の3点が主要なニーズとして
挙げられます。

〇耐熱性と強度(エンジンルーム・機構部品)
100℃を超える環境や、振動に耐えうる強度が必要です。従来の安価なPLA樹脂では
対応できず、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)やスーパーエンプラ(PEEK
など)への対応が必須です。

〇平滑性と意匠性(内装・外装部品)
インパネやスイッチ類など、ドライバーが触れる部分は「見た目」と「手触り」が
重要です。積層痕が目立たず、塗装やシボ加工がしやすい表面精度が求められます。

〇複雑形状の一体化(EV冷却部品・ダクト)
EV化により熱マネジメントが複雑化しています。金型では抜けないような複雑な流路
を持つパイプやダクトを、3Dプリンターなら一体造形で製作可能です。

2. ニーズ別:選ぶべき3Dプリント方式
「3Dプリンター導入」といっても、方式によって得意分野が全く異なります。自社の
目的に合わない機械を買うことほど無駄な投資はありません。

強度・治具・機能評価ニーズ
 推奨方式:FDM(熱溶解積層)
 特徴:コストが安く、扱いやすい。近年はカーボン配合フィラメント対応機が増加。
 適した樹脂材料:ABS, Nylon-Carbon, PC, PEEK

意匠確認・嵌合確認ニーズ
 推奨方式:SLA / DLP(光造形)
 特徴:表面が滑らかで高精細。微細なコネクタや内装パーツ向き。
 適した樹脂材料:アクリル系樹脂, ゴムライク樹脂

小ロット量産・複雑形状ニーズ
 推奨方式:SLS / MJF(粉末焼結)
 特徴:サポート材が不要で、一度に大量のパーツを造形可能。強度が非常に高い。
 適した樹脂材料:PA11, PA12 (ナイロン), PP

3. 予算をかけずに始める「スモールスタート」導入法
いきなり数千万円のハイエンド機を導入する必要はありません。DXの鉄則は「小さく
始めて、大きく育てる」ことです。

ステップ1:安価な「エンジニアリンググレード」から導入
最近では、数十万円〜100万円程度の価格帯でも、カーボン繊維入りナイロンが造形
できるデスクトップ機(MarkforgedやBambu Labの上位機など)が登場しています。
まずはこれで「治具(ジグ)」や「簡易試作」を内製化し、期間短縮の効果を実感
してください。

ステップ2:高難易度品は「出力サービス」を活用
自社で賄えない大型品や金属パーツ、特殊なスーパーエンプラは、専門の出力サー
ビス(DMM.makeやJ-3Dなど)に外注します。すべてを内製化するのではなく、
「内製」と「外注」のハイブリッド運用が最もコスパが良い方法です。

4. 2024-2025年版:3Dプリンター導入に使える補助金
設備投資の負担を軽減するために、国の補助金をフル活用しましょう。

ものづくり補助金(省力化(オーダーメイド)枠など)
本命です。革新的な製品開発や生産プロセス改善を行う中小企業が対象。3Dプリンター
導入による「試作リードタイムの短縮」は強力な申請根拠になります。
補助率: 1/2〜2/3(金額による)

中小企業省力化投資補助金
IoT機器やロボットなど、カタログに登録された製品を選ぶ簡易な形式の補助金。業務用
3Dプリンターが対象になる場合があるため、カタログを要チェックです。

事業再構築補助金
ガソリン車部品からEV部品へ事業転換を図るなど、思い切った業態転換を行う場合に
適しています。

※補助金の公募時期や要件は頻繁に変更されるため、必ず最新の公募要領を確認するか
認定支援機関へ相談してください。

5. 生成AI(ChatGPT/Gemini)を活用した「製造DX」
ハードウェア(3Dプリンター)だけでなく、ソフトウェア(AI)を組み合わせることで
業務効率は跳ね上がります。

① 補助金申請書の「たたき台」作成
ものづくり補助金の申請書は記述量が多く大変です。生成AIに自社の強みを伝え、文章
の構成案を作らせましょう。

プロンプト例:
「当社は自動車部品のプラスチック成形メーカーです。新たに3Dプリンターを導入し、
試作期間を従来の2週間から3日に短縮し、EV向け部品の受注を増やしたいと考えて
います。『ものづくり補助金』の申請書に向けた、事業計画の「革新性」と「優位性」
の文章案を400文字で作成してください。」

② 3Dデータ作成支援(ジェネレーティブ・デザイン)
Fusion 360などのCADソフトに搭載されたAI機能を使えば、条件(荷重、材質、固定点)
を入力するだけで、AIが数百通りの「軽量化された形状」を自動生成します。これを3D
プリンターで出力すれば、人間の発想を超えた部品が作れます。

③ エラー検知と品質管理
最新の3DプリンターにはAIカメラが搭載されているものがあります。造形中の「スパゲ
ッティ化(造形失敗)」をAIが画像認識で検知し、自動停止して材料の無駄を防ぎます。
これも現場レベルでの立派なAI活用です。

6. まとめ
自動車部品の試作において、3Dプリンターはもはや「魔法の箱」ではなく「当たり前の
工具」になりつつあります。

まずは100万円以下の機種でスモールスタートし、生成AIを活用して事務作業や設計を
効率化しつつ、補助金でハイエンド機へのステップアップを狙う。このサイクルこそが
リスクを抑えて競争力を高める最短ルートです。

「うちはまだ早い」ではなく、「今、何ができるか」から始めてみませんか?

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濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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