製造業DXにおける顧客ニーズ把握とデジタル技術・AI活用事例の紹介
生成AIの指示により、ロボットの動作プログラムを作成することは可能か?について
解説したいと思います。
近年、生成AI技術の進歩により、ロボットの動作プログラムを生成AIで作成すること
が可能になりつつあります。従来のロボットプログラミングは、専門家による高度な
知識とスキルを必要としていましたが、生成AIを用いることで、より直感的かつ効率
的なプログラム作成が可能になると期待されています。
生成AIによるロボット動作プログラム作成の仕組みは、主に以下の2つの方法があり
ます。
1. 自然言語指示による生成
人間が自然言語で指示を与えることで、生成AIがロボットの動作プログラムを自動的
に生成します。例えば、「テーブルにあるコップを把持して、隣の棚に置く」という
指示を与えると、生成AIはロボットがコップを把持し、移動し、置くまでの動作を自
動的に生成します。
(実際に展示会でデモを行っている)
<具体的なプログラミングステップの例>
①指示の入力
ユーザーが自然言語でロボットに対する具体的な指示を入力します。
例: 「部品Aをピックアップしてコンベヤに移動し、部品Bと組み合わせてください。」
②AIによる解析とコード生成
生成AIが指示を解析し、対応するロボット動作コードを生成します。
例: PythonやROS(Robot Operating System)でのスクリプト生成。
③シミュレーションとデバッグ
生成されたコードをシミュレーション環境でテストし、動作を確認します。エラーや
改善点があれば修正します。
④実機への適用
検証が完了したコードを実際のロボットに適用し、作業を実行します。
2. デモデータからの学習による生成
ロボットの動作デモデータを生成AIに学習させることで、その動作を再現するプログ
ラムを自動的に生成します。例えば、ロボットがコップを把持して移動するデモデー
タを学習させると、生成AIは学習した動作に基づいて、新しい状況でもコップを把持
して移動するプログラムを生成することができます。
3.生成AIによるロボット動作プログラム作成の利点
プログラミング専門知識がなくても、ロボットの動作プログラムを作成でき、従来の
プログラミング方法よりも、より直感的かつ効率的にプログラムを作成できます。
また、ロボットの学習能力を向上させ、新しい動作を素早く習得させることができます。
一方で、生成AIによるロボット動作プログラム作成の課題として、生成されるプログ
ラムが常に安全で信頼できるわけではなく、生成されるプログラムの品質は、学習デ
ータの質に大きく左右されます。
★事例1:デンソーの「生成AIロボット」
デンソーが開発した「Generative-AI-Robot」は、人間との会話からタスクを判断し、
動作を実行する能力を持っています。このロボットは、音声認識AIを使って人の指示
をテキストに変換し、生成AIがその指示から実行タスクを判断します。
これにより、事前にすべての動作を学習させる必要がなく、自然言語による指示やそ
の場の状況判断に基づいて動作を切り替えることが可能になります1。
★事例2:AI Market
生成AIをロボットへ導入する方法!実際の企業事例6選を徹底解説!
4.今後の展望
生成AI技術の進歩により、課題は徐々に克服されていくと考えられます。今後は、
より安全で信頼できるロボット動作プログラムを生成AIで作成することが可能に
なり、ロボットの活用範囲がさらに広がっていくことが期待されます。