中小製造業におけるM&Aの目的、効果、メリット、デメリット、注意点など
中小製造業の利益(付加価値)を生む組織形態へ転換させるためには
どうすればいいでしょうか?
中小製造業では、今まで、取引先企業から受注した製品を図面通り加工
し、納期に合わせて生産するための組織を構成し、運営してきました。
受注生産に適した組織とは、取引先からの受注窓口である営業部門
納期通りに生産するための生産管理部門、図面に合わせて加工組み立て
を行う製造部門、検査や品質管理を行う品質管理部門などが、主な組織
です。
今まではこのようなライン組織があれば、十分に受注生産に対応が可能
でした。
しかし、現在はライン組織から、付加価値を生み出すのは難しく、また
新たな顧客獲得は困難な状態で、ひたすら注文が来るのを待っている
しかありません。
中小製造業のほとんどは、このような取引先からの受注品を加工して納入
する形をとってきましたが、受注は減少傾向、儲からない、取引企業から
のコストダウン圧力など、コロナ禍により、一層厳しい環境下で、苦しい
経営を強いられています。
そこで、当研究所では下記の記事において新たな付加価値業務の取り組み
の提案を行っています。
★製造業から「受託製造(サービス)業」に変身する4つのポイント
その中で、これからはどのような組織形態へ転換が必要なのか、詳しく
解説します。
下の図は、受注開発設計型企業の組織図です。
この組織形態へ転換するためには、「自社の強み(独自技術)の発見と
育成」「人材へ投資強化」「新顧客獲得のプロモーション機能」について
強化してていき、その機能実現のために必要な組織を作っていくことが
必要になってきます。
結果として、ライン組織は縮小し、その代わり人材は付加価値を生む受注
開発型組織へシフトさせます。
上の組織の例では、新たに「開発営業」「開発」「工程技術」の新たな
組織を創設しています。
開発営業課
主な業務は、インターネットを介して顧客との会話、受注獲得、新技術提案
などを行います。
これからの営業は、自社固有技術を背景にWebマーケティング機能を強化し
ネットからの問合せや受注活動に注力していくべきで、新たな顧客をネット
を介して獲得していくことが求められます。
開発課
顧客に対して新たな技術、加工方法の提案を行い、試作等を顧客と共同で
実施し顧客とパートナーとしての信頼関係を構築、新たな受注に繋げて
いきます。
工程技術課
新たな製品の製造工程設計、必要設備の導入、治工具の準備、作業指導など
を行います。顧客の要求するQCDを満足するための事前準備を万全な形で
実施します。
これら組織の機能は、それぞれの担当者の高いスキルと経験に支えられており
そのような人材を以下に育てていくかが最大のポイントとなります。