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「冬の古傷が疼く理由」を科学する。理学療法士が注目する筋膜とヒアルロン酸の粘性

テーマ:筋膜

「寒いと昔の怪我が痛む」「朝起きた時に体がバキバキに固まっている」 こうした冬特有の体の悩み、実は単なる「血行不良」だけが原因ではありません。最新の筋膜研究の視点から紐解くと、そこには私たちの体の中で起きている「化学的な変化」が隠されています。

今回は、冬の痛みの正体と、春を快適に迎えるためのコンディショニングについてお伝えします。

1. 筋膜の間で起きている「組織の渋滞」
私たちの全身を包み、筋肉の動きをサポートしている「筋膜(Fascia)」。この筋膜の層の間には、潤滑油の役割を果たすヒアルロン酸が存在しています。

イタリアのSteccoら(2011)の研究によると、このヒアルロン酸は「温度の低下」や「運動不足」によって、サラサラから「ベタベタ」とした粘り気のある状態(高密度化:densification)に変化することが分かっています。

潤滑油がベタつくと、筋膜同士の滑走(スライド)が妨げられます。私はこれを、スムーズな動きを邪魔する「筋膜のよじれ」と呼んでいます。滑りが悪いまま無理に動かそうとすると、筋肉が正しく動くことができず、また筋膜に豊富に存在する神経センサーが刺激され、「重だるさ」や「痛み」として脳に伝わってしまうのです。

2. 「ただ動かせばいい」わけではない理由
「体が固まっているなら、ストレッチや筋トレをすればいい」と考えがちですが、注意が必要です。

土台となる筋膜が渋滞したまま無理に負荷をかけると、特定の関節や筋肉にストレスが集中してしまいます。これは荒木茂先生(2024)も指摘されている「累積加重型損傷」の原因となり、良かれと思って始めた運動が、かえって痛みを長引かせることもあるのです。

大切なのは、運動の「量」ではなく、スムーズに動けるという「質」の改善です。

3. 理学療法士が推奨する「3段階の冬ケア」
専門的な知見(Fascial ManipulationやMovementlinks等)に基づいた、理学療法的なアプローチは以下の3ステップです。

組織の滑走性を取り戻す: 適切な圧と摩擦によって、ベタついたヒアルロン酸に熱を加え、組織の滑りを回復させます(Fascial Manipulationの視点)。

正しい動きを再学習する: 滑りが良くなった状態で、背骨の一つひとつを丁寧に、分節的に動かす練習を行います。これにより、脳に「正しい動き」を覚え込ませます。

安定性を高める: 質の高い動作ができるようになってから、徐々に負荷を上げ、日常生活やスポーツに耐えうる安定性を構築します(Liebenson, 2020)。

結びに代えて
冬の痛みや違和感は、春に向けて体をメンテナンスすべき時期であることを知らせてくれる「体からのサイン」です。

「どこを重点的にケアすればいいの?」 「自分の動きのクセを知りたい」 そんな方は、ぜひ一度専門的な評価を受けてみてください。
科学的根拠に基づいた、あなただけのコンディショニングプランが見つかると思います。

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小木曽信裕
専門家

小木曽信裕(理学療法士)

THYME Physical Coorditioning Academy(たいむフィジカルコーディショニングアカデミー)

理学療法士に直接相談ができ、機能改善の施術と健康維持のためのエクササイズをワンストップで実現。体や健康についての正しい知識の提供を重視する独自の理念「ラーニングリハビリ」をサポート。

小木曽信裕プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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