#2 横浜国立経済学部AO入試と名古屋市立大学経済学部推薦入試
(個人情報保護のため、一部を白くつぶしています)
各高校の夏休みがまもなく終わります。ちょうど今は、当塾の塾生たちが、AO入試・推薦入試で、どこを受験しようかと作戦を立てている時期です。
大学入試の制度は極めて複雑です。受験大学の組合わせにより、多種多様な受験スケジュールが組まれるため、誰一人として、同じ受験ストラテジーを組むことはありません。今日も、昼から、かなり難解な受験スケジュールの組み立てをしていました。
この一部を備忘録として、コラムにまとめました。
国公立AO入試の受験スケジュールの把握
今年の現役生には、横浜国立大学 経済学部 AO入試の受験を控える 生徒がいます。詳細な試験方式を調べ、出願要件を満たすために、英検準1級を取得し、春から出願に向けて準備をしてきました。
画像に挙げたとおりですが、名古屋市立大学経済学部への推薦入試(センター試験を課す)を受験候補に挙げています。
国公立大学のAO入試は、もっと早い時期に合格発表があることが通例です。しかし、横浜国立大経済学部のAOは、2月初旬に合格発表が有り、他の国公立大学の推薦入試の合格発表の時期と重なってしまいます。
この生徒からは、「両方受験をしたいけど、両方合格が出たらどうなりますか??」と、聞かれました。かなり複雑な事案だと判断して、あらゆる事を調べてみました。
国公立大の推薦入試は「原則専願」。軽い気持ちで出願を考えないこと
国公立大学の推薦入試は、学校長からの推薦状と、合格したら絶対にその大学に入ることを誓約した書面(入学確約書など)を添付の上で、願書を提出することが必須です。従って、合格してから入学を辞退することは、原則として認められません。
つまり、国公立大学の推薦入試は「原則専願」です。そして、大学入試の制度上、推薦入試で合格をもらった生徒は、以降の国公立大学の「前期」「中期」「後期」のすべての受験資格を喪失します。仮に、別に志望する国公立大学がある場合には、大学選択の幅を大幅に狭めることになります。
国公立推薦入試と、国公立AO入試と併願はできる?!
一方で、国公立AO入試でも、原則として、合格したら絶対にその大学に入ることが出願の条件です(詳細は、各大学の募集要項を読み込んで下さい)。従って、合格してから入学を辞退恐れのある生徒は、出願自体が原則として認められないと考えます。
ただし、一般的には、AO入試の試験は9月から11月に実施されます。合格発表も12月までには終了することがほとんどです。また一般的に、センター試験を利用する推薦入試(B推薦)への出願は、1月に入ってから、合格発表は、2月上旬です。従って、受験スケジュールが全く重複することが無ければ、2つの大学の受験は理論上可能です。
国公立AO入試と国公立推薦入試との併願を考える場合は、以下のような受験スケジュールを組むことは可能です。
●国公立A大学 AO入試への出願
↓
●国公立A大学 AO入試 試験日
↓
●国公立A大学 AO入試 合否判明
↓
●B大学推薦入試 出願期間始まる
●不合格なら、B大学の推薦入試へ出願
↓
●センター試験の受験
↓
●B大学の推薦入試 試験日(面接・小論文など)
↓
●B大学 推薦入試(B方式)合否判明
先ほどの具体例としてあげた、横浜国立大学 経済学部 AO入試は、合格発表が2/6。一方で、名古屋市立大学経済学部推薦入試(B推薦)の合格発表は2/7。受験スケジュールが重複してしまいます。
ただし、この事例でも、様々な事情を精査すれば、両大学への併願ができると結論づけ、受験スケジュールを作成してみました。詳細は、次のコラムにまとめることとします。