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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

ガムを噛みながら歩くと運動効果が高まる?

2018年7月9日

テーマ:医療マメ知識

コラムカテゴリ:医療・病院

ガムを噛みながら歩くと運動効果が高まる?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘ガムを噛みながら歩くと運動効果が高まる?’という報告です。

 ウオーキングの運動効果を高めるには、ガムを噛むとよいかもしれない-。ガムを噛みながら歩くと、噛まなかった場合と比べて心拍数が増え、エネルギー消費量が増加する可能性があることが、早稲田大学の研究グループとロッテの共同研究で分かった。特に40歳以上の男性で高い運動効果が得られたという。

 ウオーキングは手軽に行える運動の一つとされ、広く一般に親しまれている。同共同研究グループは今回、交感神経活動や心拍数、エネルギー消費量を増加させることが以前より報告されているガムの咀嚼に着目。健康な男女を対象に、歩行中のガムの咀嚼が身体機能や生理機能に与える影響について検討した。

 研究では、21~69歳の健康な男女46人を対象に、安静に1時間過ごしてもらった後に(1)ガムを噛みながら、あるいは(2)ガムベースのみを除いたガムと同じ成分の粉末を摂取後に何も噛まない状態で、自分のペースでウオーキングを15分間行ってもらった。その際には心拍数と歩行距離、ケイデンス(ピッチ=歩数/時間)を計測し、歩行速度、歩数、歩幅、エネルギー消費量を算出した。

 その結果、ウオーキング中の心拍数は、ガムを噛みながら歩行すると、噛まなかった場合と比べて有意に3%増加することが分かった。こうした心拍数の増加は男女ともに認められた。特に、40歳以上の男性でガムを噛みながら歩行すると歩行距離(3.5%増)と歩行速度(3.5%増)、歩数のほか、エネルギー消費量が有意に2.5%増加した。

 これらの結果から、研究グループは「ウオーキング中にガムを噛むことは、健康や体力づくりを目的とした歩行効果を高める可能性が示唆された」と結論づけている。研究を率いた研究者によると、この結果について、ガムを噛むと心拍数が増大し、心拍リズムと運動リズムが同期する現象が生じて歩行距離や歩行速度、歩数といった身体機能が増大した可能性が考えられるという。また、こうした心拍と運動のテンポが同期する現象は若年者よりも高齢者で起こりやすいことが分かっており、高齢者の健康維持に歩行中の咀嚼運動を活用することが期待されるとしている。

 以前から運動効果を高める方法としてはインターバル速歩(通常の歩行の合間に早歩きをしながら歩くこと)などが推奨されてきましたが、ガムを噛むことで運動効率が上がるなら試して見る価値はあるかも?知れませんね!

18.7.7 11周年

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