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コラム
電子たばこで脂肪肝の可能性?
2018年3月24日
電子たばこで脂肪肝の可能性?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘電子たばこで脂肪肝の可能性?’という報告です。
電子たばこの使用により脂肪肝になる可能性があることが、マウスを用いた実験から示唆された。米・Charles R. Drew Universityの研究グループが、第100回米国内分泌学会で発表した。
同研究者らは、電子たばこに含まれているニコチンが非アルコール性脂肪肝疾患に関係していると報告している。一方で、電子たばこが肝疾患、糖尿病、心疾患、脳卒中に対して及ぼす長期的な影響については、まだ分かっていない。同氏らは、アポリポ蛋白E遺伝子を持たず、心疾患や脂肪肝を発症しやすいマウスを用いて、12週にわたる実験を行った。マウスには、脂質およびコレステロールが比較的高い餌を与えた。
1つの群では、マウスをチャンバー内に入れ、血中ニコチンレベルが喫煙者および電子たばこ使用者と同程度になるまで電子たばこのエアロゾルに曝露させた。別の群では、マウスを生理食塩水のエアロゾルに曝露させた。その後、両群のマウスの肝臓サンプルを採取し、RNAシークエンスを用いて肝臓の遺伝子を解析し、電子たばこによる影響を検討した。
その結果、電子たばこに曝露されたマウスにおける脂肪肝の発症や進行に関係する433の遺伝子変異が見いだされた。さらに、同マウスにおいて、概日リズム(体内時計)に関係する遺伝子変異も発見。概日リズムは、脂肪肝を含む肝疾患の発症を促進することが分かっている。
同氏は「電子たばこの人気は、従来のたばこよりも安全であるという広告によって急速に拡大している。しかし、脂肪肝は健康に害を及ぼす可能性が高いため、われわれは電子たばこは消費者に宣伝されているほど安全ではないと結論している。今回の研究結果は、政策立案者や連邦政府、州の規制当局が電子たばこの使用増加を防ぐ措置を講じる上で役に立つだろう」と述べた。
電子たばこの長期にわたる危険性に関してはまだまだ未知数なところが多い様ですが、今回の報告はマウスの実験レベルではありますが、電子たばこのエアロゾルの暴露により肝臓の体内時計を含む遺伝子変異の起こることが確認されていますので間違いなく、悪影響はあるわけですからその使用には慎重をきすべきと考えます。
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