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ピロリ菌感染率低下中?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘ピロリ菌の感染率低下中?’という報告です。
一般集団におけるH. pylori感染率(有病率)の変化が、日本での胃がん死亡率の低下をもたらした主な要因と考えられている。そこで、愛知医科大学の研究者らは、H. pylori感染率それ自体が出生コホートパターンを示すかどうかを確認するために、日本人のH. pylori感染率を報告した研究の系統的レビューを行い、17万752人の分析を実施した。
著者らは、出生年の関数としてのH. pylori感染率の異質性を説明するために分析を行った。その結果、H. pylori感染率の明らかな出生コホートパターンが確認された。出生年別に予測されたH. pylori感染率は、1910年60.9%、1920年65.9%、1930年67.4%、1940年64.1%、1950年59.1%、1960年49.1%、1970年34.9%、1980年24.6%、1990年15.6%、2000年6.6%で、1998年以降に生まれた直近の研究では感染率は10%以下であった。
確かに最近、消化器症状を訴えて来院される比較的若年代の方々は経鼻内視鏡を施行すると明らかにピロリ菌に感染していないと思われる方々ばかりで感染率の低下は実感していた所でした。ピロリ菌感染率の低下と除菌治療の普及に伴って今後は胃がんは少しずつでしょうけど減って行くであろうと推測され、今後益々たばこが一因の肺がんや大腸がんの割合が増えて行くものと予想されます。