人との繋がりで糖尿病が改善?
中国では糖尿病による死亡率は2倍?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「中国では糖尿病による死亡率は2倍?」という報告です。
ここ数十年で中国の糖尿病有病率が急激に上昇しているが、これまで糖尿病に関連する超過死亡の信頼し得る推定データはなかった。英国・オックスフォード大学の研究者らは、中国の都市部と地方から集めた成人約51.3万例を7年間前向きに追跡した研究で、糖尿病と超過死亡との関連を調査。その結果、中国において糖尿病が心血管系に限らず幅広い疾患別死亡率増大と関連していること、また、有病者は都市部のほうが多いが、超過死亡との関連は地方のほうが強いことを明らかにした。
研究グループは、糖尿病と超過死亡との関連を評価し、糖尿病関連の絶対超過死亡を、中国の都市部と地方について調べた。7年間の全国前向き調査は、中国10地域(都市部5、地方5)から30~79歳の成人51万2,869例が参加して行われた。ベースラインで糖尿病を確認(既往歴ありまたはスクリーニングにより検出)。主要評価項目は全死因死亡と疾患別死亡でベースラインでの糖尿病有病者vs.非有病者の補正後死亡率比(RR)を推算・比較した。
51万2,869例は、平均年齢は51.5歳、女性は59%であった。糖尿病有病者は5.9%で、地方4.1%に対し都市部8.1%、男性5.8%に対し女性6.1%、また3.1%が既往患者で、2.8%はスクリーニングにより検出された。フォローアップ364万人年において、死亡は2万4,909例、そのうち糖尿病有病者は3,384例であった。非有病者と比較して糖尿病有病者は、全死因死亡率が有意に高かった(1,373 vs.646例/10万、補正後RR:2.00)。また、その率比は、都市部よりも地方で高かった(各RRは1.83、2.17)。
糖尿病を有していることで、次の疾患による死亡増大との関連が認められた。虚血性心疾患(3,287例、RR:2.40)、脳卒中(4,444例、1.98)、慢性肝疾患(481例、2.32)、感染症(425例、RR、2.29)、女性の乳がん(217例、1.84)、女性生殖器系(210例、1.81)である。
糖尿病有病者において、全死亡の10%(地方16%、都市部4%)が、糖尿病性ケトアシドーシスまたは糖尿病性昏睡(計死亡408例)が原因であることが確認または有望視された。
日本でも以前から糖尿病患者さんのがんを含めた疾患の危険性は認識されていましたが、この様な大規模な調査での結果はなかったかも知れません。予想通り、心血管疾患や脳卒中も2倍前後と多い様ですし、10人に1人は高血糖や低血糖が原因で死亡している様ですので...十分な血糖管理の重要性が再認識されたと思います!
昨朝は吾妻小富士が綺麗に見えました。雪うさぎも少しずつ姿を現してきた感じです!