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インフルワクチンはやはり有効!

佐藤浩明

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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「インフルワクチンはやはり有効!」という報告です。
 かつて本邦では予防接種不要論を唱える向きもあったが、CDCもWHOもインフルエンザ予防接種を推奨し、2015年には本邦でも4価インフルエンザワクチンが導入されている。すでに接種が有効か無効かを議論する時期ではなく、どのような接種対象者にどのような有用性が高いのかを検討していく段階になっている。
 米国予防接種諮問委員会は、予防接種が高齢者・施設入所者のインフルエンザ関連入院や死亡のリスクを減じると報告してきたが、今回の研究は、免疫機能低下者を除外した市中発症のインフルエンザ関連感染入院症例において、予防接種がインフルエンザ関連肺炎を低下させるかどうかを目標とした観察研究である。
同研究者らは、インフルエンザ関連肺炎患者と非関連肺炎患者とを比較し、インフルエンザワクチン接種率は前群で17%と低く、すなわち未接種者が多かったことを示し、ワクチン接種はインフルエンザ関連肺炎による入院を抑制すること報告している。3回の流行シーズンにまたがる調査で、対象症例も多く、インフルエンザの診断が現実的に実施できる研究として評価できる内容である。
ここで研究者は、インフルエンザ関連肺炎群と非インフルエンザ肺炎群を比較している研究であることを指摘しておきたい。インフルエンザ関連肺炎がワクチン接種により抑制できるかどうかを一義的に解明するには、非現実的だが、接種者集団からの肺炎発症数と非接種者集団からの肺炎発症数との比較がより信頼できる情報が必要である。接種者および非接種者の追跡は困難であり、インフルエンザ肺炎発病者が全例受診するとは限らないなど、たくさんの隘路が存在する。出発点である接種そのものにも選択バイアスが存在している。本論文はワクチン接種により肺炎が抑制出来るかどうかに関しての最終結論とはなりえていないが、さらなる知見集積の基礎として位置付けられよう。
 日本では最近は何かというと医療タタキが横行している感じがありますが、こうした海外のデータをきちんと認識して正確な情報を取り入れることが大事かも?知れませんね!
駅前イルミネーション
 福島駅前のイルミネーション...これが見られるようになるとクリスマスももうすぐです!

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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