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笑いで嚥下機能低下が抑制?

佐藤浩明

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吾妻
 おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「笑いで嚥下機能低下が抑制?」という報告です。
高齢者の肺炎は誤嚥によるものが多く、70歳以上の入院肺炎患者の7割以上が誤嚥性肺炎だといわれている。誤嚥性肺炎の予防において、嚥下機能の維持は重要な課題の1つである。大阪大学の研究者らは、笑うことが嚥下機能の維持に関連するかどうかを前向きに検討。笑う頻度が高い人ほど嚥下機能低下が抑制される可能性があることが報告された。今回の検討は2007年、大阪府と秋田県の65歳以上の健康診断受診者に対し、笑う頻度と嚥下機能に関するアンケートを実施。「普段の生活で声を出して笑う機会はどれくらいあるか」を、「ほぼ毎日」「週に1~5回程度」「月に1~3回程度」「ほとんどない」の四択で選んでもらった。
 嚥下機能については、「半年前に比べて固いものが食べにくくなったか」「お茶や汁物等でむせることがあるか」の2つを尋ねた。2007年の段階で、両方の質問に「いいえ」と答えた例を嚥下機能低下なしとし、2012年まで追跡することとした。2007年以降の健診で、いずれか一方だけにでも「はい」と回答した場合を嚥下機能低下ありと判定した。追跡期間は健診最終受診日、嚥下機能低下ありとなった日、脳卒中発症日のいずれか早い時点までの期間とした。性、年齢、体格指数(BMI)、地域、運動機能低下の有無を補正して分析した。その結果、笑う頻度が「週1回未満」の群では「ほぼ毎日」の群に比べ、嚥下機能低下のリスクが有意に高いことが分かった(危険率1.60倍)。
 以上から、同研究者は「よく笑う人ほど嚥下機能の低下が抑制される可能性が示された」と結論付けた。笑うことによって嚥下機能の低下が抑制されるメカニズムの1つとして、笑うという動作が口腔体操と同様の役割を果たし、舌や口の回り、首などの嚥下に必要な筋肉のトレーニングにつながっていると考えられるという。

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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