暑い時の水分補給には何が良いのか?
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「血糖低下には食後直ぐの運動が良い?」という報告です。
2型糖尿病患者の血糖値を下げるには、食後すぐに10分間のウォーキングを行うとよいことが、新しい研究で示された。この研究によると、食後すぐにウォーキングを行った群では、他の時間帯に運動した群に比べて食後血糖値が12%低下していた。食後血糖値がもっとも低下したのは夕食後に歩いた場合で、その低下率は22%に達したという。
研究著者であるオタゴ大学の研究者は「現行の診療ガイドラインでは、2型糖尿病患者は週150分間の運動が推奨されている。しかし、今回、食後の運動に血糖値を下げる効果があることが明らかにされたことから、とくに炭水化物を多く含む食事の後には運動を行うように推奨内容を改訂する必要がある」と述べ、「食後のウォーキングを日課としてほしい」とアドバイスしている。
今回の研究で、同氏らは2型糖尿病患者41人を対象に、週150分間のウォーキングを行ってもらった。研究の第1フェーズでは、対象患者には毎日30分間、好きな時間帯にウォーキングを行ってもらい、第1フェーズ終了から30日後に開始した第2フェーズでは、対象患者には毎食後5分以内に10分間のウォーキングを行ってもらった。血糖値をモニターした結果、食後すぐにウォーキングを行うと血糖値が効果的に下がることが明らかにされた。
一方で、食後の運動を推奨する動きに異を唱える研究者もいる。米モンテフィオーレ医療センターの研究者は、運動は糖尿病管理の一部であるべきだとし、「2型糖尿病患者では心疾患の合併が高頻度でみられ、食後には心臓への負荷が大きくなることから、食後すぐの運動を勧める際には注意が必要だ」と説明している。
同氏によると、これまで多くの研究で運動による血糖コントロール改善効果が検討されてきたが、運動や生活習慣の改善だけでは良好な血糖コントロールが得られない症例も多い。そのため、「2型糖尿病患者の管理では、生活習慣の改善とともに適切な薬物療法が重要になる」と、同氏は述べている。