暑い時の水分補給には何が良いのか?
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「中年期の高血圧で認知症の危険?」という報告です。
高血圧、特に中年期の高血圧が、認知症リスクにつながる可能性があると、米国心臓協会が新たな声明のなかで警告している。世界では3000万~4000万人が認知症に罹患している。世界人口の高齢化が進むなか、依然として明確な治療法が確立していないため、患者数は2050年には3倍になると予想されている。
米ワイルコーネル医科大学の研究者は、「高血圧の人は認知症になりやすい傾向がある。ただし、血圧をコントロールすることにより認知症リスクを低減できるかどうかは、科学的に裏づけられていない」と述べている。
同氏によると、高血圧は「脳にとって最も良くないこと」だという。第一に、高血圧は脳の血管を損傷し、動脈硬化をもたらす。第二に、小血管を傷つけ、脳が血流をコントロールする能力にも影響を及ぼす。「科学的根拠はないものの、血圧を治療することは重要だと考えられる。脳だけでなく、心臓や腎臓を守ることにもなる」と同氏は述べている。
問題のひとつは、高血圧の診断を受ける時期から認知症を発症する時期までの期間が長いことである。長期研究を行い、脳を保護するために治療を開始すべき時期、理想的な血圧値、有効な薬剤を明らかにすることが強く求められると、同氏は指摘する。
米マウント・サイナイ病院の別の研究者は、「中年期の血圧コントロールによって後の認知症リスクを低減できる可能性は高いが、中年期に高血圧を放置した場合、高齢期に治療を開始しても便益はないか、むしろ有害となる可能性がある」との見解を示している。認知症は中年期に始まることが明らかにされつつあり、最終的には45歳くらいから介入措置を開始する必要があると思われると、同氏は述べている。