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弟妹は喘息になりやすい?

佐藤浩明

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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「弟妹は喘息になりやすい?」という報告です。
 出生順位が遅いほど幼児期に感染を受けやすいとの報告があり、出生順位と出生後の環境との関連が指摘されている。そこで、岡山大学の研究者らは出生第1子、第2子、第3子のアレルギー疾患罹患率を検討。その結果から、「出生順位が遅い児ほど、幼児期の喘息、アトピー性皮膚炎・湿疹罹患率が高い一方、食物アレルギーは低かった」と報告した。
 今回の結果、喘息に関しては1~3歳時では第1子と比較した第2子および第3子の危険率は有意に高い、つまり出生順位が遅いほど罹患率が高いことが考えられた。一方、7歳時以降では第3子の危険率が有意に低かった。食物アレルギーでは、5歳時までは第2子および第3子の危険率は有意に低く、出生順位が遅いほど罹患率は低いことが推察されたが、6歳時以後は第1子と第2・第3子との差がなかった。アトピー性皮膚炎・湿疹については、1歳時では第2子および第3子の危険率は有意に低く罹患率が低いものの、2~10歳時の長期にわたり第2・第3子とも危険率は有意に高く、出生順位が遅いと小児期に罹患しやすい可能性がみられた
 今回の結果では、アレルギー疾患ごとに環境の及ぼす影響が異なる可能性が考えられた。同研究者は「気管支喘息は、感染の多い環境で幼少期には増加し、学童期では減少した。食物アレルギーは減少し、アトピー性皮膚炎・湿疹は増加した。第2子、第3子は感染の多い環境にさらされ、感染やアレルゲン曝露の刺激自体が症状を誘発する」との一方、「免疫がヘルパーT細胞1型(Th1)方向へ移行し、抑制性T細胞が誘導されたことによって、アレルギー症状が抑制されている」と指摘した。
 また、気管支喘息、食物アレルギーにおいては、1~5歳時に有病率が高く、幼少期に出生順位と罹患率に関連があったことについて、同氏は環境の影響を受けやすい時期が存在することに着目。「1~5歳時は、小児期特有の免疫状態がアレルギー疾患発症に関与している可能性がある」としている。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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