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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「思春期にニキビがあった人は皮膚老化が遅い?」という報告です。
ニキビに悩んだ経験のある人には朗報である。思春期にニキビがあった人は、ニキビのなかった人に比べて皮膚の老化が緩やかである可能性があるとの知見が、1,200組超の双生児を対象とした英国の研究から示唆された。この研究の対象者の4分の1は、生涯のいずれかの時点でニキビに苦しんだ経験があった。
研究を率いた研究者は、「皮膚科医の間では長年、ニキビになったことのある人の皮膚は、全くニキビができなかった人の皮膚に比べて老化が遅いことが知られていた。しかし、臨床の場ではこうした所見が認められていたにもかかわらず、その原因はこれまで明らかにされていなかった」と話す。
「今回の知見から、その原因にはテロメアの長さが関連している可能性が示唆された。これによりニキビを経験した人の細胞は老化から保護されていると考えられる」と、同氏は述べている。
テロメアは染色体の末端部にあり、染色体を複製の際の劣化から保護するはたらきをもつ。細胞が老化するとテロメアが徐々に機能しなくなり、最終的には細胞死に至る。これは正常な成長と加齢の一環だと、著者らは説明する。論文の上席著者である別の研究者は、「ニキビに悩んだ人の皮膚が早期老化から保護される理由を説明する因子のひとつとして、テロメアが長いことが挙げられるようだ」と述べている。今回の研究で、ニキビの経験のある双生児は白血球のテロメアが長い傾向が認められた。
著者らによると、以前の研究で、白血球中のテロメアの長さが生物学的老化の予測因子となり、体内の他の細胞のテロメアの長さにも関連していることが示されているという。ただし、今回の研究はテロメアの長さと皮膚の老化の因果関係を証明したわけではない。