暑い時の水分補給には何が良いのか?
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「高温下では扇風機使用で体温上昇?」という報告です。
室温が42℃に達するような環境では、高齢者は扇風機を使用しないほうがよいことが、小規模な研究で示唆された。室温が極度に高い場合、扇風機の使用により高齢者の心拍数と中核体温が上昇することがわかったという。
ただし、米テキサス大学の研究者は、極端に高温となる条件でなければ扇風機は有益であり、扇風機の使用自体を止めるべきではないと述べている。
若い人の場合、扇風機を使用すると汗の失われる量が増え、汗が蒸発することにより皮膚の温度が下がるが、高齢者は汗をかく能力に限界があり、扇風機の有効性も制限されると、研究著者らは説明している。
今回の研究には、男性3人、女性6人の計9人(平均68歳)が参加した。男性は短パンのみ、女性は短パンとスポーツブラを着用し、約42℃の室内に座ってもらった。気温がここまで上昇することは稀であるが、米シカゴでは1995年にこのレベルの熱波が生じているという。
今回の結果、扇風機を使用すると心拍数が最大で9回/分上昇し、体内温度にも上昇がみられることがわかった。たとえば、湿度50%での平均中核体温は、扇風機なしでは約36.8℃、扇風機使用時は約37℃であり、心拍数は扇風機なしで79回/分、扇風機使用時は88回/分であった。「この程度の上昇でも、心機能の低下した人には有害となる場合がある。また、この高温下でさらに長い時間を過ごした場合は結果が大きく異なる可能性もある」と、同氏は話している。同氏は、高齢者は室温が37℃以上になる場合は扇風機を使用せず、エアコンを用いるのが理想的だと勧めている。エアコンがない場合、隣人や家族の家、コミュニティセンターや高齢者センター、映画館やショッピングモールなどへ行くのもよいという。また、湿布や冷たい飲み物(水が望ましい)も有用であると、同氏は助言している。