暑い時の水分補給には何が良いのか?
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「カルシウムサプリ摂取で認知症増加?」という報告です。
カルシウムサプリメントにより高齢女性の認知症リスクが上昇する可能性があることが、新たな研究で示された。因果関係は明らかにされていないが、カルシウムサプリメントを飲んでいると、脳卒中の既往のある女性では認知症リスクが7倍、脳の白質病変(脳内の血流が妨げられる障害の徴候)のみられる女性ではリスクが3倍になるという。
研究を率いたスウェーデン、ヨーテボリ大学の研究者によると、一部のガイドラインでは、骨粗鬆症予防のために高齢者は1日1,000~1,200mgのカルシウムを摂取するよう推奨しているが、別の研究ではカルシウムサプリメントが女性の心筋梗塞や脳卒中のリスクを上昇させる可能性が示唆されているという。ただし、食品から摂取するカルシウムはサプリメントとは異なり、脳にとって安全であり、むしろ保護する作用もあると同氏は強調している。今回の研究は、認知症でない女性700人を対象として、2000年から5年間追跡した。研究の開始時と終了時に、記憶力・思考力などの検査を実施した。研究開始時に447人に脳のCT検査を実施した結果、71%の人に白質病変が認められた。研究開始時点では、計98人がカルシウムサプリメントを使用しており、既に54人が脳卒中を経験していた。追跡期間中に、さらに54人が脳卒中を発症し、それとは別に59人が認知症を発症した。
はじめに、カルシウムサプリメントを飲んでいる女性は、飲んでいない女性に比べて認知症リスクが2倍であることがわかった。しかし、さらに分析を進めると、脳血管疾患の徴候のある人が、このリスク上昇に寄与していることが判明した。
サプリメントの業界団体である米国栄養評議会の研究者も、結論を急ぐべきではないと言う。「今回の解析は10年前の観察研究のデータを用いており、元の研究はカルシウム摂取量の評価のためにデザインされたものではない。さらに、解析にはサプリメント使用者が98人しか含まれておらず、サプリメントの用量や摂取期間、食事からのカルシウム摂取量などの情報が含まれていない」と、同氏は指摘している。