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禁煙の期間が長いほど動脈硬化は改善?

佐藤浩明

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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「禁煙の期間が長いほど動脈硬化は改善?」という報告です。
 滋賀動脈硬化疫学研究(SESSA)において、喫煙が複数の血管床での潜在性動脈硬化と強く関連する一方、その関連性は禁煙後の期間が長くなるに連れて減衰することがわかった。喫煙は、心血管疾患の圧倒的な危険因子であるが、予防可能な因子でもある。本研究では、心血管疾患のない40~79歳の日本人男性1,019例のサンプルにおいて、喫煙状況・累積喫煙歴(pack-years)・1日消費量・禁煙後期間と、冠動脈石灰化・頸動脈内膜中膜複合体厚(CIMT)・頸動脈プラーク・大動脈石灰化・上腕足関節血圧比を含め、解剖学的に異なる4つの血管床での潜在性動脈硬化の関連を横断的に検討した。
 主な結果は以下のとおり。
・現在喫煙者は、4循環すべてにおいて、非喫煙者と比べて潜在性動脈硬化リスクが有意に高かった(冠動脈石灰化>0の危険率1.79倍、CIMT>1.0mmの危険率1.88倍 、大動脈石灰化>0の危険率4.29倍、足関節上腕血圧比<1.1の危険率1.78倍 )。
・元喫煙者は、頸動脈と大動脈で、非喫煙者と比べて潜在性動脈硬化リスクが有意に高かった(CIMT>1.0mmの危険率1.94倍、大動脈石灰化>0の危険率2.55倍)。
・現在喫煙者および元喫煙者で、pack-yearsや1日消費量との用量反応関係が、とくにCIMT、頸動脈プラーク、大動脈石灰化、上腕足関節血圧比との間に認められた。現喫煙者では、pack-yearsや1日消費量が少なくても、冠動脈石灰化や大動脈石灰化と関連していた。一方、元喫煙者では、禁煙後期間が動脈硬化指標すべてにおける低負荷と直線的に相関していた。

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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