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コラム
糖尿病予防にはジョギングより早歩きが有効?
2016年8月2日
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「糖尿病予防にはジョギングより早歩きが有効?」という報告です。
糖尿病前症では、ジョギングよりも早歩きが血糖コントロールに優れる可能性が、新しい研究で示された。糖尿病の発症を予防するには、「減量・食生活の改善・運動」の3つが対策の柱とされ、これらの生活習慣因子の修正の重要性は広く知られているが、今回の研究を主導した米デューク大学の研究者は「これらのうち1つでも患者に行動変容をもたらすのは難しいのが現実だ」と述べている。
そこで今回、同氏らは、運動を行うだけで、減量や食生活の改善を併用した場合と同様なベネフィットが得られるかどうかを調べた。その結果、中強度の運動を行うだけで、3つの因子を修正した場合に得られるベネフィットの80%を達成できることが判明した。
今回の研究の結果、6カ月後に実施した経口ブドウ糖負荷試験による耐糖能(糖尿病への進展リスクを予測する指標)は、標準プログラムを行った群では9%の改善が認められた。一方で、運動のみを行った3群では、週18.5kmの早歩きに相当する運動群では7%、週12kmの早歩きに相当する運動群では5%の改善がみられたのに対して、週18.5kmのジョギングに相当する運動群では2%の改善にとどまっていた。「中強度運動を長時間行うだけでも、脂肪やカロリー制限による食生活の改善と運動を併用した場合に近い効果が得られることがわかった」と、研究著者の1人は述べている。
こうした結果が得られた背景について、同氏は、高強度運動では脂肪よりもブドウ糖が燃焼されるが、中強度運動ではグルコースよりも脂肪が燃焼される傾向があるとし、「中強度運動のベネフィットの1つは、筋肉中の脂肪を燃焼できることにある。余剰なグルコースは肝臓や筋肉組織にグリコーゲンという形で一時的に貯蔵されるため、筋肉中の脂肪燃焼は非常に重要になると考えられる」と説明している。
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