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肥満・過体重で死亡リスク増大?

佐藤浩明

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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「肥満・過体重で死亡リスク増加?」という報告です。
 過体重および肥満により、世界の4つの地域で一貫して全死因死亡のリスクが増大していることが、Global BMI Mortality Collaborationの調査で明らかとなった。過体重(BMI 25.0~<30.0)およびGrade1の肥満(30.0~<35.0)では、標準体重(18.5~<25.0)に比べ全死因死亡のリスクは増大しないことが報告されている。一方、BMIと死亡との因果関係を高い信頼性の下で推定するには、逆因果関係の影響をできるだけ回避する必要があり、慢性疾患や喫煙はBMIに影響を及ぼす可能性があるという。主要評価項目は、BMI 22.5~<25.0の集団との比較における他の8つのBMI集団の、試験、年齢、性別で補正した死亡の危険率とした。
 全死因死亡のリスクはBMI 20.0~25.0の集団が最も低く、これよりBMIが低い集団(BMI 18.5~<20.0[1.13倍]、BMI 15.0~<18.5[1.51倍〕および高い集団(BMI 25.0~<27.5[1.07倍]、BMI 27.5~<30.0[1.20倍])のいずれもが、リスクが有意に高かった。
 Grade1の肥満(BMI 30.0~<35.0)の全死因死亡の危険率は1.45倍、Grade2の肥満(BMI 35.0~<40.0)の危険率は1.94倍、Grade3の肥満(BMI 40.0~<60.0)の危険率は2.76倍であり、いずれもリスクが有意に高かった。
 また、BMI 25.0以上の集団では、BMIとほぼ対数線形的に死亡率が上昇し、その程度は各地域(死亡数が少ない南アジアは除外)でほぼ同じであった。すなわち、BMIが5増加するごとに、危険率が欧州で1.39倍、北米で1.29倍、東アジアで1.39倍、オーストラリア/ニュージーランドでは1.31倍高くなった。
 著者は、「これらの知見は、あらゆる種類の脂肪過多を防止する戦略を支持し、過体重や中等度肥満は高い死亡率とは関連がないとする提言に疑問を呈するものである」としている。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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