暑い時の水分補給には何が良いのか?
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「旅行で認知症予防?」という報告です。
東北大学加齢研究所および某旅行会社は今年5月、同社のツアーに参加経験がある60歳以上の男女45人を、履歴を基に「旅行高頻度群」(2013~15年に3回以上)と「低頻度群」(同期間に0回)に分け、①過去5年間の旅行回数②主観的幸福感尺度(自分が幸せだと思う気持ち)③旅行の動機-の3項目について予備的に調査した。
解析の結果、①過去5年間の旅行回数が多いほど、人生に対する「失望感」が低い②「現地交流」を旅行の動機とする傾向が強いほど、人生に対する「満足感」が高い③「文化の見聞」を動機とする傾向が強いほど、人生での困難に対処できる自信を持っている-といった関連性が見いだされた。
この予備調査の結果を踏まえ、同研究所機能画像医学研究分野の研究者は、頻回に旅行に行くことや明確な動機を持って旅行に行くことが認知機能の維持に影響し、認知症の予防効果の可能性を示唆していると指摘。開始される同研究では、①旅行が高齢者の主観的幸福感やストレス対処能力の向上、脳萎縮の抑制、認知機能の維持に影響することを脳科学的に示す②旅行の頻度および経験が脳のどの領域の構造に関連し、どのような認知機能のレベル維持に関連するかを明らかにする-の2項目が検証される。
同氏によると、高齢化が進む日本において健康寿命の延伸は重要課題であり、高齢者の寝たきりや自立できない原因の上位を脳血管障害と認知症が占めているという。また、これまでの国内外の研究から、脳の加齢(脳萎縮)を抑える要因として運動(軽いものも含む)と知的好奇心の高さが知られているが、旅行前から旅行後までの過程ではその双方を伴う行動が期待できると述べた。