Mybestpro Members

佐藤浩明プロは福島放送が厳正なる審査をした登録専門家です

マスコミ報道が服薬行動に影響?

佐藤浩明

佐藤浩明

おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「マスコミ報道が服薬行動に影響?」という報告です。
 マスコミがスタチン(高脂血症治療薬)のリスクとベネフィットについて広く報道し世間で激しい議論が繰り広げられた後、患者のスタチン服用中止率は一時的に上昇した。英国の研究者らが、同国のプライマリケアのデータを用いて分割時系列分析を行い、報告した。著者は、「これは、一般のマスコミで広く扱われる健康に関する記事が、ヘルスケア関連行動に影響する可能性があることを強調している」と述べている。これまでにも、デンマーク、オーストラリア、トルコ、フランスの研究で、マスコミの否定的な報道がスタチンの中止率や処方率に影響を及ぼすことが示唆されている。英国では2013年10月、スタチンに関して物議を醸す論文2報が発表され、その後、スタチンのリスクとベネフィットについてマスコミで議論が繰り広げられていた。
 今回の結果ではスタチンの開始については、マスコミ報道の過熱が関連したというエビデンスは、CVD(心血管疾患)リスクが高い患者(1次予防)またはCVDイベントの最近の既往のある患者(2次予防)のいずれにおいても確認されなかった。一方、スタチンをすでに服用している患者については、マスコミ報道の過熱後、1次予防または2次予防のいずれも服用を中止する傾向が有意にみられた(それぞれ危険率は1.11倍、1.12倍)。層別解析では、高齢者および長期服用者がマスコミ報道過熱後にスタチンの服用を中止する傾向が認められた。また、事後解析の結果、服用中止率の増加は最初の6ヵ月間に限定されていたことも示された。
 なお、結果について著者は、スタチンの開始・中止は処方記録に基づいており、実際に処方されたかあるいは患者が服用したかどうかは不明であることや、低用量スタチン(OTC)の使用は含まれていないなどの点で研究には限界があるとしている。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

佐藤浩明プロは福島放送が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼