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夏に向けて、食中毒に注意!

佐藤浩明

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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「夏に向けて、食中毒に注意!」というお話しです。
私たちの生活で身近に起きている食中毒は、細菌性食中毒が全体の半分を占めています。細菌は高温多湿な環境を好むことから、細菌性食中毒は梅雨から夏にかけて多く発生します。一方、ウイルス性の食中毒の代表であるノロウイルスは冬に多発する傾向があるものの、ほぼ1年間を通して発生しています。食中毒を招く細菌が増殖しても、食べ物の見た目や味は変わらず、匂いもしませんので十分な注意が必要です。
様々な種類が存在する細菌性食中毒のうち、今回の肉フェスの原因ともなったカンピロバクターによるものが、近頃最も発生件数が多いことがわかっています。他にサルモネラ菌・腸炎ビブリオの順で多いと言われ、この3種類で約7割を占めるとされています。そこでこの3種の原因菌による食中毒の対策を簡単に述べてみます。
・カンピロバクターは鶏・牛などの肉さらにはそれらの腸管内に存在するため、摂取の際には内部まで十分加熱し、生食を避けることが大事です。
・サルモネラ菌は主に食肉や卵類に存在するため、肉類に関してはカンピロバクターと同様の対策が必要です。卵については新鮮なものを選び、割卵後はすぐに使用する事が肝要です。さらに自家製マヨネーズ等十分に加熱できないものは短時間で調理し、早く食べるなどの注意が大事です。
・腸炎ビブリオは夏場など、温かい気候の時に水揚げされた魚介類に付着していることが多いと言われていますが、真水には弱いため、まずはよく洗うことが大事です。その上、魚介類はなるべく室温放置を避け、冷蔵庫(4℃以下)に保存し、早く食べるようにし、加熱用のものは十分に加熱することが大事です。
 それぞれに共通して言えることは、加熱が必要なものは十分加熱することと調理した際には調理器具・手指を洗浄消毒することが必要であり、菌の増殖を防ぎ二次汚染をさせないための重要かつ最小限の食中毒対策ともいえます。
 毎年気をつけてはいてもやはり夏場は食中毒件数が増えてしまいます。少し油断しただけで簡単に発生してしまう可能性が高いため、特に野外イベントなどで料理が提供される際には参加する側にも食中毒への細心の注意が必要かも知れません。さらに同じ食事をしても、食中毒になる人とならない人、症状の軽重がありますが、これはその人の持つ抵抗力の差によるものです。このような体の抵抗力を十分に発揮させるには、これから暑くなる夏に向けて疲労やストレスをためない、休養を十分にとり、生活を乱れさせないことも大切です。

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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