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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「17歳前後の肥満は成人後に心疾患発症の危険増大?」という報告です。
青年期BMIが50パーセンタイル以上において、成人での心血管疾患死のリスクが増大することが明らかにされた。BMIが50~74パーセンタイルの、いわゆる“許容範囲”と考えられている群でも同リスクの増加が認められ、95パーセンタイル以上群では5~24パーセンタイル群に比べて、心血管疾患死のリスクが3.5倍に増大したという。イスラエルの研究者らが、平均年齢17.3歳の青年男女230万人について約40年間追跡を行った試験で明らかにし、発表した。
今回の結果、4,229万7,007人年に及ぶ追跡期間中の死亡者数は3万2,127例で、そのうち心血管疾患によるものは2,918例(9.1%)だった。うち1,497例は冠動脈性心疾患死、528例は脳卒中死、893例は突然死だった。心血管疾患死および全死因死亡のリスクは、BMIが50~74パーセンタイルの、いわゆる許容範囲と考えられているグループから段階的に上昇することが判明した。
具体的に、5~24パーセンタイル群を基準(1.00)とした時の、冠動脈性心血管死の補正後の危険率は、25~49パーセンタイル群では1.11倍、50~74群は1.49倍、75~84群2.17倍、85~94群3.02倍、95以上群では4.9倍であった。なお、95パーセンタイル群についてみると、脳卒中死は2.6倍、突然死2.1倍、総心血管疾患死は3.5倍だった。
また追跡期間ごとにみると、95パーセンタイル群の心血管疾患死の危険率は、追跡期間0~10年には2.0倍だったが、追跡期間30~40年には4.1倍に増大。両期間とも冠動脈性心疾患死の危険率が一環して高値だった。
著者は、「青年期の、許容範囲とされるBMI50~74パーセンタイル群でも、追跡40年間の間、心血管死および全死因死亡増大との関連が認められた。過体重と肥満は、成人における心血管死増大と強く関連していた」とまとめている。