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佐藤浩明プロは福島放送が厳正なる審査をした登録専門家です

ネコの糞で怒り病?

佐藤浩明

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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「ネコの糞で怒り病?」という報告です。
 衝動的に激怒する傾向のある人は、ネコの糞などに含まれる寄生虫に影響されている可能性があることが、米シカゴ大学の研究で示唆された。研究では、間欠性爆発性障害(IED)の患者は、トキソプラズマ症の原因となるトキソプラズマ原虫の保有率が2倍以上高いことが判明したという。IEDは、頻回かつ衝動的に、状況に釣り合わないほどの言語的・身体的な攻撃性を爆発させる精神疾患の1つ。米国では1,600万人にみられるという。
 一方、トキソプラズマ症は、ネコの糞や十分に加熱調理されていない肉の中にみられる寄生虫によって引き起こされる感染症だ。全人類の約3分の1が感染しているといわれ、一般的には感染しても症状は少ない。ただし、新生児や免疫不全患者では重症化リスクが高くなる。
 研究では成人358人を対象とし、IED群、IED以外の精神疾患群、精神疾患のない対照群の3群に分けた。トキソプラズマ抗体陽性率は、IED群では22%だったが、対照群ではわずか9%、精神疾患群では約16%だった。攻撃性・衝動性のスコアは、精神疾患群では対照群と同程度だったが、IED群では他の2群よりはるかに高かった。トキソプラズマ陽性の対象者では、怒り・攻撃性のスコアが有意に高かった。
 同研究者は「攻撃性の問題を抱える人は、単なる性格や癖なのではなく、何らかの背景をもつ可能性もある。ただし、本研究は臨床試験でないため、直接的な因果関係は明らかでない。また、トキソプラズマ陽性の人全員が攻撃性の問題を有するわけでもない」と話している。専門家は、トキソプラズマ症の予防として、調理時は野菜をよく洗い、肉を十分に加熱すること、ネコは屋内で飼育すること、ネコの糞に触れないよう注意することなどを挙げている。

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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