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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「対応困難な患者さんは誤診されやすい?」という報告です。
対応困難な患者は良い治療を受けられない可能性があることが、オランダ、エラスムス大学医療センターの研究者らが実施した2件の研究で示された。
本研究は実臨床ではなく、架空のシナリオにおける医師の回答を調べたものだが、こうした患者が医師の注意力を削ぐことを示唆している。「患者の非協力的な行動により、医師の誤診が生じる可能性がある。推定によると、15%の患者では攻撃的あるいは失礼な態度、過剰な要求、不信感がみられる」と同氏は話している。
同研究者は「普通の患者」と「非協力的な患者」の短いシナリオを作成した。非協力的な患者は、要求が多かったり、医師の助言を無視したり、指示に従わなかったりした。最初の研究では、ロッテルダムの家庭医63人を対象に、これらのシナリオを診断してもらった。複雑な症例の場合、普通の患者と比較して、非協力的な患者では診断の正確さが42%低下した。単純な症例の場合は6%低下した(ただし、医師が診断を熟考する時間を与えられれば、患者の病状や態度にかかわらず正確性は向上した)。
内科研修医74人を対象とした2件目の研究でも同様の結果がみられた。やや複雑な症例において、対応困難な患者での診療ミスは、普通の患者よりも20%多くなった。なお、これらの研究では診断の正確さをイチかゼロかで判定するのではなく、「正しい」「部分的に正しい」「間違っている」のいずれかにより点数化した。同氏は、「非協力的な患者は医師の『注意を引く』ため、医師は実際の症状に集中できない。十分な診療が受けられなければ、患者はさらにいらつき、負のスパイラルが生じる。医師はこうした行動への対処を学ぶ必要があり、患者が不信感を示す場合は、他医を紹介することも一案だ」と話す。